ロハス・メディカルvol.122(2015年11月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2015年11月号です。


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中毒やインフルエンザといった感染症を予防するための正しい手洗い方法をご存じですか? 厚生労働省のサイト内に啓発ポスターがあります(HTTP://WWW.MHLW.GO.JP/BUNYA/KENKOU/KEKKAKU‑KANSENSHOU01/DL/POSTER25B.PDF)。一度ご覧になってください。小中学の保健でも正しい手洗いを学習しており、教科書によっては正しい手洗い方法が具体的に記載されているものがあります。指の間は誰でも熱心に洗うのですが、特に親指周りや手首の辺りまでしっかりと洗うことが大切です。 私は、専門家と一緒に手洗い啓発に関わらせていただいております。また、科学館と連携して、食中毒も含めた感染予防の必要性を伝える機会もあります。 そういう時、「細菌がいなくなれば食中毒は起こりませんよね」と、念押しするように話しかける方がいらっしゃ状態にすることが可能である」と考えているようです。しかし残念ながら、研究室のような特別な環境でない限り、細菌がいない状態にはなりません。 したがって、専門家たちは「細菌がいなくなれば」という「あり得ない」状態を前提に話をされることに非常に敏感になってしまいます。「この世からなくす」ことではなく、「共存せざるを得ない人間は、どう対処していけば良います。どうやら清潔に過ごしていれば大丈夫ですよね、という意味のようですが、こういう発言を専門家が受けた場合、素直に、はいそうですねと首を縦に振ることができないそうです。一般の家庭ではそういう状況はまずあり得ないからです。 この言葉を発する人の多くは、「細菌のいないいか」という視点で予防を考えてほしいと力説したくなります。 言葉を発した人は、手洗いをして清潔に保ち自分も頑張るぞという純粋な気持ちで専門家の共感を得たいだけだったかもしれませんが、専門家側は共感の前に一言確認したくなってしまうのです。 この見解の相違は、実は食中毒予防において重要なポイントになります。 食中毒予防の3原則、「付けない」「増やさない」「やっつける」に通じるのです。この3原則は、「細菌は身の周りに存在する」という大前提の下に提唱されています。常に「いる」ということを意識しているかいないかで、予防に対する心構えが全く違ってきます。心構えがあれば、ついうっかりという油断を減らすことができます。 もう少し具体的な話をしま食LOHASMEDICALVIEW薬剤師。科学の本の読み聞かせの会「ほんとほんと」主宰吉田のりまき都道府県が設置する教科書センター一覧は、文部科学省のサイトに掲載されています。HTTP://WWW.MEXT.GO.JP/A_MENU/SHOTOU/KYOUKASHO/CENTER.HTM教科書をご覧になりたい方へ第7回細菌のことを知り秋も食中毒予防を2細菌消えても毒は残るゼロにならない細菌


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