ロハス・メディカルvol.123(2015年12月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2015年12月号です。


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入浴により体温は急速に低下。それにより、睡眠の質と翌朝の睡眠感の向上も観察されている。出典:小林敏孝,薬局VOL.62NO.10,2011より編集部にて作成LOHASMEDICALVIEW ただ、完治するまで全く入浴しない方がいい、ということでもありません。永島教授も「お風呂は粘膜の機能を高めるので、呼吸器の状態改善にはよいでしょう」と話します。 鼻や喉などの粘膜には目に見えない細かい毛(繊毛)が生えていて、それが動いて粘膜表面に粘液の流れを作り、異物などを体外に追い出す役目を担っています。低温では毛細血管が収縮して血流が悪くなり、繊毛の働きが鈍くなります。空気が乾燥しているとなおさらです。痰を出しづらくなったり、鼻が詰まりやすくなったりします。 一方、浴室は多湿で呼吸器の粘膜が潤い、お風呂に入れば体も温まります。繊毛がよく動くので、咳や痰、鼻詰まりなどの呼吸器症状を和らげることができるのです。加えて、自律神経に働きかけて血の巡りをよくし、全身の緊張をほぐす効果もあります。 というわけで、「微熱程度で、食事もとれていて体力があるのなら、湯冷めやのぼせに気をつけ、さっとお湯につかり、上がったらすぐ布団に入って寝る、というのはいいかもしれません」と永島教授。確かに体も気分もさっぱりしたら、よく眠れて、体の回復を助けてくれそうですね。5喉や鼻にはいい[図]入浴後の体温変動入浴後の体温通常時の体温3938.53837.53736.53635.5351819202122230123456789(℃)(時)時刻体温


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