ロハス・メディカルvol.123(2015年12月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2015年12月号です。


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神経細胞軸索通常は細胞の外側が+、内側が-細胞の中にナトリウムイオンが流れ込んで+と-が逆転隣にも影響してあたかも電流が末端へ流れるように見える刺激伝達の方向は隣の部分が+に動くということでもあり、今度は隣でナトリウムチャネルが開いて活動電位が発生します。それが、さらに、その隣の部分を+に変えてナトリウムチャネルが開いて活動電位を発生しと、どんどん繰り返され、電流が流れていくことになるのです。一度ナトリウムイオンが細胞の内側に入った所では、しばらくチャネルが開かないため、電流は後戻りすることなく一方向に伝わります。 この神経伝達とテトロドトキシンがどう関わっているかということですが、テトロドトキシンはナトリウムチャネルのゲートに結合してしまい、開かないようにしてしまいます。そうなると活動電位を発生させることができないので、神経伝達が遮断されてしまうのです。その結果、神経に制御されている器官が働かなくなりますので、致命的な毒性となります。しかも、一度くっついたら離れないという不可逆的な結合です。その神経は二度と電気を伝えなくなるわけです。 一度くっついたら離れないということを知ったら、ちょっとだけ試してみようかなんて気は、なくなりますよね。 ちなみに、フグにもナトリウムチャネルがあります。しかし、フグのチャネルはヒトのものと形が異なっているため、テトロドトキシンが結合しないのです。また、フグがテトロドトキシンを産生していると思われているようですが、元は海の中の細菌が作るLOHASMEDICALVIEW毎回、本文と関係のある本をご紹介していきます。鈴木勉監修新星出版社 2015年船山信次著ナツメ社 2013年もっと知りたい方に大人のための図鑑毒と薬史上最強カラー図解毒の科学毒と人間のかかわり毒です。それを食べる小さな魚、それを食べる大きな魚という食物連鎖の結果、フグに蓄積されます。テトロドトキシンの食物連鎖の頂点に立ってしまわないよう、毒性をよく理解し、安全に美味しくフグを食べるよう心掛けてください。7神経伝達の仕組みチャネルが開かない


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