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サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局で第52回どい・ゆうこ●1978年北海道医療大学薬学部卒。病院勤務後、93年(株)アインファーマシーズ入社、薬剤師研修を担当、2013年より現職。神戸薬科大学非常勤講師、北海道大学非常勤講師として、「薬剤師教育指導論」や「リスクマネージメント」を教えている。MBA取得後、2015年4月より経営学博士課程に進学。扱うエルボリステリア(ER BORISTERIA)というお店、一般的なブランドの化粧品や香水を扱うプロフメリア(PROFUMERIA)というお店に分かれます。最近では日本のドラッグストアのようなパラファルマチア(P A RAFARMACIA)も増え、処方箋なしで買うことのできる簡単な薬品やサプリメントを売っているようです。 ヨーロッパならではと言えるエルボリステリアは、歴史を遡ると中世の頃、修道院が庭で農業をして自給自足を始め、そこで薬草を育てて調合し、お茶やエッセンシャルオ9月中旬、25年ぶりにイタリアに行き、ベネチア、フィレンツェ、ローマと回ってきました。そのうちフィレンツェは、ハーブを扱う人々が多く「香りの街」と言われているのだそうです。ここ何年か、薬局が心と体の健康に果たす役割をテーマとしているので、何か参考になることはないか、と下調べもせず何軒かの薬局を訪れました。皆さん親切に対応してくださいました。 イタリアの薬局は、処方薬や一般用薬品を扱うファルマチア(FARMACIA)というお店、薬草や自然派化粧品を(株)アインファーマシーズ上席執行役員土居由有子イルとして人々の治療に用いたのが始まりのようです。有名なメディチ家も、その発祥は薬種問屋か医師と言われています。 世界の王侯貴族を顧客に持つことで有名なサンタ・マリア・ノヴェッラ薬局も、フィレンツェのエルボリステリアの一つ。気づかず通り過ぎてしまうほど小さな間口の入り口ですが、一歩足を踏み入れると何とも言えないハーブの香りが漂い、奥に何か特別な空間があると、すぐ気づくはずです。各国言語対応の商品カタログリストが置かれ、その中にはハーブティのレシピイタリアで見た香りも扱う薬局9も載っていました。特に興味を引いたのは、奥の古いカウンター前でのコンサルティングでした。肌に合わせたスキンケアやサプリメントの相談に乗るそうです。相談するとオリジナルのハーブを調合してくれると後から聞いて、相談すればよかったと後悔しました。 日本では、体調や気分がすぐれなければ病院そして薬という考え方が主流です。イタリアでは、中世から受け継がれたマイルドな施術が人々の支持を集めていると分かりました。キーワードは、「薬局」と「香りの世界」の融合でした。多くを学んだと思います。LOHASMEDICALVOICE8