ロハス・メディカルvol.124(2016年1月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2016年1月号です。


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船着き場の前にひっそりあった薬局第53回どい・ゆうこ●1978年北海道医療大学薬学部卒。病院勤務後、93年(株)アインファーマシーズ入社、薬剤師研修を担当、2013年より現職。神戸薬科大学非常勤講師、北海道大学非常勤講師として、「薬剤師教育指導論」や「リスクマネージメント」を教えている。MBA取得後、2015年4月より経営学博士課程に進学。に栽培されるようになったのは13世紀のシチリア島からとも言われています。イタリアは、まさにレモン利用の本場ということになります。 そこで、日本に帰ってきてから、レモンの効能効果を調べてみました。あまりにも身近な果物過ぎて、意外と本気で有効活用していなかったということが分かりました。 レモンに含まれる2大薬効成分は、ビタミンCとクエン酸です。 ビタミンCの含有量は果汁100G中50㎎と柑橘類中トップクラスです。ビタミンCを摂取すると、風邪の予防や号に続いてイタリア薬局巡りで気づいたことをお伝えします。 最終日にリゾート地として有名なカプリ島に行ったところ、船着き場の前にひっそりとファルマシアがありました。 処方箋を受ける他、オーラルケア製品や一般用医薬品、ドクターズコスメをセンス良く配置していました。薬剤師はとても親切で、この島には、特産物のレモンにちなんだハンドクリームやレモンチェッロがあるのだ、と説明してくれました。 レモンは、ヒマラヤ地方が原産地で、果実として本格的(株)アインファーマシーズ上席執行役員土居由有子シミそばかす防止に役立ちます。また、ビタミンCは肝臓の解毒作用をサポートするので、二日酔いの時にレモン入りのドリンクを飲むとすっきりします。 クエン酸を摂取すると、疲労回復、美肌効果、アンチエイジング、血流改善、痛風予防などの効果を期待できます。疲労回復の仕組みは、運動後やストレスなどで蓄積されていく疲労物質に「乳酸」があり、その乳酸分解をクエン酸は助けます。乳酸の産生を抑制したり新陳代謝を促進したりする作用もあります。 ただ、とても酸っぱく、酸イタリアで学んだレモンの使い方前性度も高いので、そのまま食べるのには、あまり適していません。 むしろ広く使われているのは皮から取ったエッセンシャルオイルです。レモンの香りにはリラックス作用のあることが示されています。皮にはDリモネンというテルペン系炭化水素が含まれており、レモンの香りの重要な成分となっているだけでなく、溶剤としても利用されます。溶剤になるくらいなので、皮膚に直接着けることは推奨されません。 爽やかな香りのレモン入りドリンクを飲む度に、カプリ島に吹いていた風を思い出し、疲れが癒やされていくのを感じます。LOHASMEDICALVOICE16


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