ロハス・メディカルvol.124(2016年1月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2016年1月号です。


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はこやま・こうた●北海道大学医学部医学科4年生。2月に休学して、妊婦エプロンと一緒に世界一周放浪中。憧れの川原先生にも妊婦エプロンを着けていただきました。ーダンの首都ハルツームでは、NPO法人ロシナンテスの川原尚行先生にお会いしました。国際医療を志す僕にとって夢のまた夢のような先生と過ごす日々は本当に刺激的でした。 先生のお話によると、スーダン政府からの制限が厳しいため、ご自身が前線で活動することは現状困難で、裏方として巡回診療や水の浄化事業の調整をしているとのことでした。 ロシナンテスが巡回診療を行っている各村の代表者を集めた話し合いの場を見学させてもらいました。和気あいあいとしたやりとりから、これまで先生が築いてきたスーダンの人たちとの信頼関係を垣間見たような気がしました。 その場で、先生は新たに地域医療保険に関する提案をしましたが、代表の方々は口をそろえて「急病人が出たら村で一番のお金持ちの所に行って相談する。その支援が充分でないなら村人同士で助け合う」とおっしゃっていました。ムスリムの人たちの助け合いの考え方です。しかし、それが毎回充分に機能する保証はありません。 帰りの車の中で、思い切って先生の夢をうかがいました。「今までにない、より良い医療の形を、ここの人たちと一緒に追い求めることかな」とおっしゃっていました。むちゃくちゃカッコ良かったです。 ハルツームに滞在した後は、先生が以前医療活動をしていたシェリフハサバッラ村へ。バスを2回乗り継いだ後にヒッチハイクをしないと辿り着けないその村では、先生に紹介していただいた村長のハサンさんの家でホームステイをしました。 「ドクトールカワハラ」のことは、村の人みんな知っていました。先生の話をすると、とりあえずうちに来いと言わ何かがじんわりと心に沁しみて幸せでした。日中は我慢ができないほど暑くなります。村での3日間は主にちびっこたちと遊んで過ごしました。廃タイヤを転がしたり、捨ててあった台車を組み合わせて基地を作ったり。暗くなったらベッドを外に出して、満点の星空のもと眠りにつきます。夜は意外と冷え込みます。毛布をかぶって寝ていたら、家の男の子がハリネズミを持ってきてくれました。いったいどこで捕まえてきたんだろう。 青空ベッドで流れ星を探しながら「僕もいつか先生のような医師に」と夢見つつ、ウトウト眠りにつくのでした。第8回スーダンで出会ったカッコ良い先生箱山昂汰LOHASMEDICALVOICEスれて、ご飯をごちそうになったり。村の入り口にはロシナンテスと書かれた給水塔が建っていて、水タンクを引くロバを連れた人々が列を作っていました。 村の人たちとのゆったりとした暮らしは、17


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