ロハス・メディカルvol.124(2016年1月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2016年1月号です。


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LOHASMEDICALVIEWけさせてください。 この薬の効果が出たことによって、悪党を野放しにする役人の中に、悪党の存在に気づいて隣まで行っているのに袖の下に何か入れられて目こぼしするのがいたというウソのような話が、どうやら本当らしいということになりました。この薬は、悪党が何か入れられないよう袖を縛ってしまうもの(悪党の側が入れようとするのを妨害するタイプ これまで前者の治療が大抵は自由診療で高額になってしまったこともあり、標準的ながん診療に日々当たっている医師たちの中には、患者を惑わせて経済的負担を与えるものとして、前者の考え方そのものを激しく嫌っている人も少なくありません。 しかし、ここ何年かの臨床研究の結果から、実は前者の方が正しく、これまで単に条件を整えきれていないだけだったらしいということ、きちんと条件が整うと役人は想像以上に強いということが明らかになってきました。 このため製薬業界などは大騒ぎになっています。 このコペルニクス的転回が起きたのは、免疫チェックポイント阻害剤というタイプの薬が登場し、これまでだったら治療法がなかったような患者の何割かに劇的に効いたことによってです。 は、免疫チェックポイントって何? だろうと思います。後でちゃんと説明しますので、もう少しだけ、たとえ話を続の薬もあります。詳しくは後ほど)で、使ったら、役人はビシビシ取り締まりを始め、しかも強かったのです。 ただし、この薬が効いたのは、大抵の場合で2〜3割の患者に留まります。袖の下を使われる以外にも、悪党の存在に気づかないとか、気づいても悪党の所まで辿り着けないとか、役人が職務を果たせない原因は、まだまだたくさんあるようです。19実は前者が正しかった袖の下を使わせない


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