ロハス・メディカルvol.124(2016年1月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2016年1月号です。


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がん細胞攻撃!こうなるはずなのに…攻撃しないのはなぜ?白兵戦担当のキラーT細胞様々な免疫細胞がんの目印を教えるがん患者の体内では免疫が充分に働いていないLOHASMEDICALVIEW近年、免疫にがん退治させる治療法に劇的な進化が起き、世界中で注目が集まっています。あと何年かすると、がん治療の常識が変わっているかもしれません。基礎から説明します。免疫で、がん退治もはや夢ではないう悲観的なものです。 この違いは、医療という強力な部隊を街へ派遣した際に、最終的に役人が悪党を抑え込むようなることを期待してサポートさせるのか、役人になど期待せず単独で悪党を成敗させるのか、という考え方の違いになります。 前者の立場から過去何十年も様々な「免疫療法」の開発が行われており、しかしどれも期待を裏切り続けてきました。この歴史もあって、現代の標準的がん治療は、役人に対する配慮の大小はあるにせよ、もっぱら後者です。間の体を街、免疫をその治安維持に当たる役人、がん細胞を悪党にたとえると、がん患者の体内という街では、役人が悪党を抑えきれず好き放題されています。 なぜ、こうなってしまうのかについては様々な解釈がされてきました。大きく分けて二つの見方があります。何かが役人の働きを邪魔しているだけで条件さえ整えてあげれば役人は職務を果たすようになるという楽観的なものと、ある程度以上の勢力に育ってしまった悪党を抑え込めるような力は役人に元々ないとい人18


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