ロハス・メディカルvol.124(2016年1月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2016年1月号です。


>> P.25

4.5.!6.PD-1抗体既存の免疫療法再評価の可能性もて、他の免疫療法(特にPD-1抗体)と組み合わせて、一連の流れを完遂させれば効くようになるのかもしれない、ということになります。 ただし、PD-1抗体だけでも高額なのに、さらに高額な免疫療法を組み合わせるとなると、既存の治療法に上乗せして健康保険を適用したら、確実に健康保険財政が破綻します。 では、組み合わせるような治療は自費診療でやるしかないのかと言えば、そこは国民の考え方次第です。うまく使いこなせれば、「がんが治る」人は今以上に増えることが予測され、それは国民の願いにも沿います。「治せない」治療や不急の疾病治療に使われ 革命的な変化が起きかけているだけに、既得権に流されがちな医療業界のみに方針を決めさせず、患者や社会にとって本当は何が良いのか、ゼロベースで考えることが大切です。ている現在の保険医療費を、そちらに回すなど工夫の余地はあるかもしれません。頭に少し述べたように、がんの免疫療法は、過去に何度も期待を集めては裏切ってきたという歴史があります。このため、免疫が本当にがん退治できるのかという根本の所から疑う医師も少なくありませんでした。 しかし、PD-1抗体が効いたことによって、免疫の流れの最後でストッパー作動している患者が一定数いるようだということ、これまでの免疫療法はストッパーより前に働くものばかりだったため最後の関門を越えられなかったのかもしれない、と考えるのが自然なことになりました(図)。 となると、成果を思ったほど出せずにきた免疫療法すべ冒25


<< | < | > | >>