ロハス・メディカルvol.124(2016年1月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2016年1月号です。


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 今回の例を笑うことはできない。我が国の状況は、もっとヒドイからだ。 降圧薬バルサルタンの効果を測った臨床研究の論文では、不正なデータ操作がされ、その薬効を信じた医師たちが処方を行っていた。でっち上げのSTAP細胞に、国費で運営される研究機関が踊らされていた。そして、トクホの安全性審査で認可されなかったサプリメントが、機能性表示食品制度では認可されるという事例すら起きている。 門外漢のタレント医者が「専門家」のようなコメントをしても誰も咎めないという一般メディアの現状と併せ、このままで良いものだろうか。 この連載では、読者の視野が広がる、あるいは気づきがある、そんな健康関係の情報をお知らせしていきたい。一般メディアの情報すべてが検証済みではない研究報告学術雑誌に載る(専門家が検証している場合とそうでない場合がある)一般メディアが(検証せずに)載せる31第55回ナビタスクリニック理事長久住英二くすみ・えいじ●1999年、新潟大学医学部卒業。虎の門病院に勤務した後、東大医科研先端医療社会コミュニケーションシステム部門に所属、2008年6月、立川駅の駅ビル「エキュート立川」で開業。内閣府の規制・制度改革仕分け人でもあった。008年に駅ナカの生活動線にあって、会社や学校の帰りに受診しやすいよう夜まで診療する、というコンセプトで立川駅にクリニックを開業して丸7年が経ちました。既に10万人以上の方に利用いただいており、多くの皆様の人生にコミットできましたことを喜びに感じています。 来春から、新宿駅にも開業すべく、準備を進めています。 実は、新宿はナビタスクリニックのオリジンの地です。 東大や慶應など大学横断的に集って学んでいた「すずかん(鈴木寛・前参院議員)ゼミ」の大学生たちが、今の医療機関は若い人にとって利用しづらいという問題意識から、実験的に2 0 06年11月から1年だけ、新宿西口の雑居ビルで「コラボクリニック新宿」という7坪の診療所を開設していました。開設申請から内装工事まで、すべて学生たちが手掛けた前代未聞のクリニックでした。 その実験結果から、ニーズは間違いなく存在して社会貢献価値が高い、経済合理性もあるとの確信を得て、ナビタス誕生に至ったのでした。 その学生たちも、社会人として各領域で活躍するようになっています。ナビタス新宿スタートの噂を聞きつけて、11月28日と29日に東京で開かれる「現場からの医療改革推進協議会」に、彼らが久々に集まってくれるそうです。 成長した彼らに会うのが楽しみであると同時に、オリジンの地にようやく戻って来たなという感慨も一ひとしお入です。 これからも益々頑張ります。2LOHASMEDICALVOICE科学的的な健康情報がメディアに載るまで


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