ロハス・メディカルvol.125(2016年2月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2016年2月号です。


>> P.2

たちは肝臓について、割と詳しく中学理科や高校生物で学習しています。血糖値や体温の調節、解毒、赤血球の分解、胆汁の生成、尿素の合成といった重要な働きをする臓器であるということです。また、ダメージを受けても再生することを教えている教科書もあります。肝臓は、自己再生能力が高く、もし一部が再生できなくなっても元気な細胞だけでフル回転して頑張る素晴らしい臓器なのです。 これを保健の視点から言うと、とことんダメになってからSOSを出す要注意臓器ということになります。 肝臓の細胞がダメージを受けると、やがて繊維状になって固くなります。これが肝硬変です。そうなると肝臓の中で血液がうまく流れず「門脈」の圧力が高くなります。そして食道へと続く静脈に血液が迂回するようになり、食道静脈瘤が出来、破れて大出血をが分かるような図解本もご紹介します。ぜひ肝臓の重要さを再確認なさってください。 さて、その肝臓の細胞にダメージを与える大きな原因が、肝炎ウイルスの感染です。 肝炎ウイルスは現在、A B CDEの5型が見つかっています。 そのうちC型肝炎で、最近になって治療法が大きく進歩しました。起こしてしまいます。また、肝臓で解毒されなかったアンモニアが脳へ移行すると錯乱状態や昏睡(肝性脳症)をひき起こします。肝臓とかけ離れた場所に影響が出るのでビックリされますが、血液や栄養が集まる肝臓だからこその症状なのです。肝硬変から、肝がんへと進むこともあります。今回は、肝臓だけでなく、血液や栄養の全体の流れ C型ウイルスが発見されたのは1989年。まだ30年も経っていません。血液を介して感染するため、皆さんもよくご存じのように、注射針の使い回しや輸血により、知らないうちにC型肝炎ウイルスに感染してしまい、住まわせ続けている人たち(キャリアと言います)がたくさんいらっしゃいます。 国は、どういう人が感染している可能性があるのかを伝え、検査を推進し、医療費助成を行うなどの対策を講じてきました。しかし、統計で算出された数から考えると、未だ感染に気づかず検査すら受けていない人たちが大勢いらっしゃいます。自覚症状がないので、まさか自分が感染しているとは思わないのでしょう。 これまでの治療法ですが、1992年にインターフェロンが投与されるようになりました。2001年からは抗ウイスル薬との併用も行われ、私LOHASMEDICALVIEW薬剤師。科学の本の読み聞かせの会「ほんとほんと」主宰吉田のりまき都道府県が設置する教科書センター一覧は、文部科学省のサイトに掲載されています。HTTP://WWW.MEXT.GO.JP/A_MENU/SHOTOU/KYOUKASHO/CENTER.HTM教科書をご覧になりたい方へ第10回ウイルス性肝炎症状なくても検診を2インターフェロン


<< | < | > | >>