ロハス・メディカルvol.125(2016年2月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2016年2月号です。


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2003年には長く体内に留めておけるように改良したタイプのインターフェロンも使用されるようになりました。しかし、インターフェロンによる治療は大変つらいものでした。 そのつらさは、投与されたことがない人でも想像することができます。インフルエンザにかかった時のことを思い出してください。熱が出て節々が痛くなって、全身がだるくて、本当につらい症状が出ますよね。これは、細胞から作り出されたインターフェロンが、ウイルスを排除しようと、ウイルスに感染した細胞ごとやっつけているからです。この状態が2、3日続いただけでも大変なのに、C型肝炎の患者さんは、体が作る量よりも多量のインターフェロンを注射されます。相当な期間、相当なつらさに耐えなければならないことになります。 今でも思い出すのですが、注射の度に「私の副作用は軽いのよ、平気なの」と笑顔でおっしゃる患者さんがいました。しかし、ご家族の方からは、ご自宅では相当苦しんでいることを、そっと伺っておりました。インターフェロンの治療を受けられない患者さんもいるのだから、受けられるだけでもありがたく人前で決して泣き言は言わないと頑張っておられたそうです。体力のないご高齢の方などは肝臓を庇護する対症療法しかできず、つらくてもいいからインターフェロンによる治療を受けたいのに、と悔しい思いインターフェロンの時のような副作用も少なめです。高齢でインターフェロンの治療を受けられなかった患者さん、インターフェロンの副作用に苦しんでいた患者さんにとって、待ち望んでいた薬でした。 今回は詳しく書きませんが、C型肝炎の患者さんはウイルスの遺伝子型によっていくつかに分類され、それぞれに可能な治療法が決まっています。これらの新しい薬についても、どういう患者さんに使えるかが明確に決められています。ご自分がどの治療が受けられるかは、必ず医療機関で相談なさってください。 なお折角の治療法の進歩ですが、のんびりしていると、進行し過ぎてしまったり、治療対象者の基準から外れてしまったりして、希望する治療を受けられなくなることがあります。まずは、C型肝炎ウイルスを持っていないか、肝臓の細胞がダメージを受けていないかといった検診を受けてください。そして、日頃から積極的に肝臓のSOSを拾ってあげるよう心がけていただければと思います。LOHASMEDICALVIEW毎回、本文と関係のある本をご紹介していきます。ニュートンプレス 2015年芥田憲夫著法研 2015年もっと知りたい方にニュートン別冊しくみ,機能,病気と原因人体図飲み薬だけで治る!C型肝炎をされた人もいたのです。 ようやく2014年と2 0 15年に相次いで、インターフェロンとは異なるメカニズムで、しかも注射しないで済む飲み薬が登場しました。ウイルスが増える仕組みを邪魔し、増殖そのものをストップさせるのです。効果が高く、3そして新薬が出た手遅れになる前に


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