ロハス・メディカルvol.126(2016年3月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2016年3月号です。


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とにも関係してきます。膵管と胆管がつながっていることから、肝臓にも容易に転移します。そもそも膵臓の周りには多くの消化器があって密に接していますから、転移リスクも高くなるのです。また、胃の裏の奥まった所にあるため、画像検査でも見づらいのです。がんがある程度大きくなるまで自覚症状が現れず、膵がん特有の症状が少ないため、どうしても発見が遅れがちになり、発見された時には手の施しようがなく、治療効果を出すことができず、生存率が低くなってしまうのです。 できるだけ早期に発見するためには、少しでも体の変調があれば見逃さないようにすることです。 がんで膵管が詰まってくると消化液の出が悪くなって消化不良になり、腹痛や体重減少が見られるようになります。またホルモンの産生が悪くなると、糖尿病を発症したり、食べ過ぎなどの原因もないのに糖尿病がコントロール不良になったりします。胆汁の通り道が圧迫されて狭くなると、黄疸を生じることがあります。症状だけ見ると、がんとは思えないことと思いますが、膵臓の構造を理解していれば辻褄の合う症状ですよね。絶対に不調を放置せず、早めに受診していただきたいです。 今回取り上げた『ぼくは科学の力で世界を変えることに決めた』は、科学少年ジャックが執筆した本です。 当時彼は高校1年生。親しな論文を収集しました。なんと8000種類の中から、早期がんの段階で増え膵がんの指標となり得るタンパクを探し出したのです。そのタンパクを抗体反応で捉えて検出するために、カーボンナノチューブと抗体の技術を組み合わせるという画期的な方法を考えました。この方法を使えば、電気抵抗の変化量から指標となるタンパク量を測定でき、早期の段階で膵がんを発見することが可能になります。しかも、ほんの1滴の血液からたったの5分で検出することができるのです。 2012年、この研究で彼はインテル国際学生科学技術フェアのゴードン・ムーア賞を受け、世界的に有名になりました。現在実用化に向けて開発中です。ウェブで検索すれば、彼の受賞シーンや研究内容の発表が見られます。 この方法で早期発見が可能になれば、多くの命が救われるでしょう。しかし、残念ながら今はまだ実用化されていません。膵がんのリスクとなる肥満や喫煙を避け、不調サインを見逃さず、早めに検査するよう心掛けていただきたいです。LOHASMEDICALVIEW毎回、本文と関係のある本をご紹介していきます。日本膵臓学会 膵癌診療ガイドライン改訂委員会編集金原出版株式会社 2015年ジャック・アンドレイカ著マシュー・リシアック著中里京子訳 講談社 2015年もっと知りたい方に患者さんのための膵がん診療ガイドラインの解説ほくは科学の力で世界を変えることに決めたい人を膵がんで亡くしたことから、得意の科学の力を使って早期発見を可能にしようと研究に取り組みました。まずは膵臓そのもののことを、そして膵がんのことを調べ始め、誰でもが自由にアクセスできるサイトから必要11高校生の大発明


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