ロハス・メディカルvol.127(2016年4月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2016年4月号です。


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心血管事故を起こす閾値時間(加齢)健康な人の傾きコレステロールの累積量生活に問題があると閾値が下がるLDLコレステロールが高いなら、傾きが上へ向く時間(加齢)コレステロールの累積量心血管事故発生!年間特集「生活習慣病」として知られる疾患群は、血管を傷め、心筋梗塞や脳卒中など命に関わる「心血管事故」を起こしやすくします。次号から始まる年間特集「血管を守る」には、そうした心血管事故を遠ざける生活改善のヒントが満載ですが、それだけですべてが済むはずもなく、生活改善だけでは足りない場合、そもそも生活に原因がない場合もあります。生活が原因ではない〝生活習慣病〟もある栓です。動脈の壁に溜まるコレステロールの塊はプラークと呼ばれます。 そして、血中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)の値が高いと、プラークが出来やすく、しかも破れやすいことが知られています。 LDLコレステロールが動脈の壁に溜まるには、酸化されて免疫細胞のマクロファージに食べられるというステップも必要で、どういう時に酸化が起きやすいかなどは次号以降に詳しく説明しますが、そういった部分までひっくるめて、どうなると心血管事故に至るか直観的に理解できるのが「累積LDLコレステロール理論」(図1)です。動脈が晒されるLDLコレステロールの生涯累積量に着目し、閾いきち値に達したら心血管事故が起きるという考え方です。 閾値は一定ではなく、喫煙していたり生活に問題があって高血圧や耐糖能異常(糖尿病の初期段階)など生活習慣病の領域に足を突っ込んでし大な心血管事故の代表例である心筋梗塞は、心臓に血液を送り込んでいる冠動脈が詰まることによって、血の来なくなった心臓の筋肉が死んでしまい、命に関わります(詳しくは2008年8月号参照。ロハス・メディカルのサイトで電子書籍を読めます)。 詰まるもので特に怖いのは、コレステロールの溜まった動脈の壁が破れた後に出来る血重図1累積LDLコレステロール理論LOHASMEDICAL血管を守る﹇予告編﹈2


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