ロハス・メディカルvol.127(2016年4月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2016年4月号です。


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©PLAYMOBIL/GEOBRABRANDSTÄTTERGMBH&CO.KG. 以上、快眠のためにできることをシリーズでお届けしてきました。 まとめると、日中は太陽の光を浴びながら適度に運動し、バランスの良い食事を適量とり、夜は早めに入浴して床に就く、という規則正しい生活を送ると、きっと快眠が待っていますよ、ということになります。言うは易し行うは難し、ではありますが、まずは毎朝、目が覚めたら、さっと布団から出てカーテンを開けることから始めてみてはいかがでしょうか。 まずカフェインです。コーヒーや、コーラなどの清涼飲料水の他、緑茶や紅茶、チョコレートやココア、栄養ドリンクなどに含まれています。 カフェインに覚醒作用があることは、ご存じですよね。研究で、寝る3時間前と1時間前にカフェインを摂取したところ、寝つきが悪くなるだけでなく、睡眠の質が下がり、時間が短くなる影響が確認されました。 前田准教授も、「カフェインの覚醒効果は、若い人では3〜4時間ですが、高齢者では5〜7時間と長くなります。ですから午後3時に『お茶』をした後は、控えた方が良いかもしれません」とアドバイスします。なお、妊婦では5〜10時間も続くそうなので、さらに注意が必要です。 カフェインには、利尿作用もあります。ただでさえ歳をとると夜中におしっこが近くなり、それが睡眠障害の原因の一つですから、助長したくないですよね。 お酒も、控えるのが正解です。眠れない夜にこそ一杯という人もいることでしょうが、こうした寝酒が不眠の原因となり得るのです。 これまでの研究によると、アルコールを大量に摂取した後は、レム睡眠が減少し深い眠りが増加します。眠りが深くなって良さそうに見えますが、睡眠の後半に交感神経の活動が高まって、アルコールの血中濃度が下がる時に覚醒しやすくなります。また、当初は飲酒によって寝つきが良くなっても、慢性的に摂取するうち効かなくなってきます。これにより飲酒量が増えて、アルコール依存症となる危険があります。 一方、アルコールを少しだけ摂取した後では、眠りの質そのものに大きな変化は見られないものの、寝つきが悪くなり睡眠時間も長くなる傾向が見られました。 というわけで、お酒が快眠の助けとなることは、なさそうです。 タバコもダメです。含まれるニコチンに覚醒作用があり、睡眠の質の低下と不眠の原因になります。中高年女性の検証では、喫煙本数が多いほど不眠リスクは高まります。まして寝タバコは論外です。9寝酒はダメ


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