ロハス・メディカルvol.127(2016年4月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2016年4月号です。


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はこやま・こうた●北海道大学医学部医学科4年生。2月に休学して、妊婦エプロンと一緒に世界一周放浪中。米の有名観光スポットと言えば、ボリビアのウユニ塩湖が挙がるのではないでしょうか。雨季である12月から3月にそこを訪れると見渡す限りの鏡張りが広がり、空と大地の区別がつかない絶景が見えるのです。ワクワクしながらチリのアタカマ砂漠を越えてボリビアへと入りました。 ところが⁝⁝。最初にツアーで訪れた時は、だだっ広い白い大地が延々と続くだけで、水たまりさえ見当たらない。聞くところによると30年に一度の大干ばつが起きていて、雨期に入っても全然雨が降っていないとか。異常気象のしわ寄せを、まさかここで食うとは思ってもみませんでした。トホホ⁝⁝。 雨を待つため、しばらくウユニの街に滞在することに。塩湖に行く以外にあまりやることもないので、妊婦体験の活動を普段より熱心にやっていました。ですが、妊婦体験を快くやってくれる人は観光客ばかり。ボリビアの人はシャイなのか、どうにも煮え切らない反応ばかりでした。 そんな中で、アルゼンチン人のグループに声をかけた時のことです。とびきりハンサムなメガネのお兄さんから、「ちょっとだけ着けることに意味があるのか」とバッサリ言われました。 これまで多くの人に活動を紹介してきた中で「妊婦体験に意味があるのか」と面と向かって僕に理解できるよう異を唱えてくれた人は、このお兄さんを含めて3人しかいませんでした。最初にこのことを言われたエストニアでは、自分でも答えが出ていなくて、しばらく凹へこんでいたのですが、この時は違いました。初のまとまった雨が降ったのです! 晴れ予報が出ている早朝に日の出を見に行くと、星空と雲が湖面に映り込んで本当に神秘的⁝⁝。これまで見てきたどの景色ともかけ離れていて、絶景という言葉がぴったりだなと思いました。 普段観光する際には持って行かない妊婦体験ジャケットを着て、記念撮影(写真)。絶景の中、ボロボロになった相棒のジャケットを見て、もうすぐこの変な旅も終わりを迎えるんだなと実感しました。第11回ウユニ塩湖で想う旅の終わり箱山昂汰LOHASMEDICALVOICE南「例えば自分の奥さんのお腹が大きくなった時にふと、変な日本人に出会ったことを思い出して、ちょっと良いパパになろうかなって思ってくれたら。そこに少しは意味があるのかなって思うのです」と答えられました。長く旅をする中で答えを見つけられたのかもしれません。 そして! 数日待っている間に、なんと今シーズン20


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