ロハス・メディカルvol.127(2016年4月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2016年4月号です。


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100人以上80人台70人台60人台60人未満出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数(平成24年3月31日現在),総務省.LOHASMEDICALVIEWての器具が多数ある。その材料費だけでも5000円以上かかり、備付の器具は2 0 0万〜1000万円と高額なものが多い。器材だけでなく、治療時間も以前の方法より長くかかる。 診療報酬では赤字になるので、歯科医師は最善の治療をするなら自腹を切るしかない。だが、そんな余裕のある歯科医師はほとんどいない。旧態依然とした昔の治療しかできない歯科医師が多数いる。このため日本の歯科医師の根管治療の成功率は低く、先進国の90%に対して、日本は50%だ。 都内に開業しているある歯科医は、すべて国際基準に合わせた器材を確保したが、今後もこの状況が続くようなら、国際基準の治療をあきらめ、昔の時間がかからない根管治療法に戻すしかないと考えているという。 また別の都内の歯科医師は、検査をして病巣が見つかったとしても、患者が痛みとして訴えない限り、根管治療をしないと明言している。 日本は歯科医師過剰と言われて久しい。1955年に人口10万人あたりの歯科医師数は34・8人だった。歯科医師不足解消のため、政府は1 9 69年に人口10万人あたり50人に増やす目標を閣議決定した。およそ15年でその目標は達成されたが、過剰対策に乗り出しても抑制は効かず、2012年には80・4人まで増加している。 OECD諸国の平均は63・6人なので、日本は26%ほど多く、OECD諸国中7位と上位だ。政府のめざす人口10万人あたり50人が妥当とすると、現状では過剰ということになる。 しかし結論から言うと、日本は歯科医師過剰国ではない。なぜならこの数値はあくまで27歯科医師の〝過剰〟実際には超偏在人口10万人あたりの歯科医師数


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