ロハス・メディカルvol.135(2016年12月号)

ロハス・メディカル2016年12月号です。リン酸探検隊パン花粉症の舌下免疫療法、睡眠と性差、頭を使って空腹の時はトレーニングを、有酸素運動と血管内皮の機能の関係、カルシウムサプリの心臓への悪影響、予防接種って何なの3、オプジーボの光と影7など


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第3回LOHASMEDICALVIEW病気の悩みに、病気を持つ人が体験を元にアドバイスします。ポイントの解説も。聞き書き武田飛呂城・NPO日本慢性疾患セルフマネジメント協会事務局長病気になってから、やりたいことができません。どうしたらよいでしょうか?山本慎治さん(30代男性、クローン病)答える人お悩みをはじめ、消化管に炎症や潰瘍が発生し、急な腹痛や下痢をひき起こします。そのため、発病当初は常にトイレの不安がありました。街中で急に腹痛に襲われた時、トイレを探さないといけませんし、電車に乗っていても途中下車してトイレに駆け込むことがありました。いつトイレに行きたくなるだろうかと、不安と焦りを感じていました。 すると、日常生活でも色々制限するようになります。特に遠出をすることが困難になは「できない」には2種類あると思っています。一つは「心理的にできない」と思ってしまうこと、もう一つは「物理的にできない」ことです。 心理的にできないというのは、できるかどうか考える前に、どうせ無理だと最初からあきらめてしまっているということです。 私は2011年の4月、腹痛が続き血便が出て、クローン病と診断されました。 クローン病は、小腸や大腸りました。学生の頃はリュックサック一つ背負って海外旅行に出かけたり、スペインに語学留学をしたり、毎年のように海外に行っていましたが、クローン病になってからは、海外に行くことは考えられませんでした。心理的にできないと思い込んでいたのです。 しかし、ある時、80歳を超えてエベレストへの登頂を果たした三浦雄一郎さんの講演をお聴きして、高齢になってもチャレンジを忘れない姿から勇気をもらいました。また、患者会等に参加し、同じ病気の人がどんな生活をしているかを知るようにもなり、それまでの自分は、考えることすらせずに、どうせ無理だと最初からあきらめているだけなんじゃないかと思うようになりました。 そこで、最悪のケースを想定しながら、一つずつクリアできるかを考えようと思いました。トイレの不安は、最悪の場合、漏れてしまったらどうしようと思いましたが、それならオムツを着ければよい私


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