ロハス・メディカルvol.135(2016年12月号)

ロハス・メディカル2016年12月号です。リン酸探検隊パン花粉症の舌下免疫療法、睡眠と性差、頭を使って空腹の時はトレーニングを、有酸素運動と血管内皮の機能の関係、カルシウムサプリの心臓への悪影響、予防接種って何なの3、オプジーボの光と影7など


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LOHASMEDICALVIEW生確率を大幅に下げることができます。また、体内で増殖することのない「不活化ワクチン」や「成分ワクチン」では起きません。一方で、これらの「非生ワクチン」は、免疫に記憶をさせる働きが弱いので、反応を強めるアジュバントを加える必要があり、また充分な記憶に達するまで接種を何度か繰り返す必要があります。 次に、免疫の反応が正常な範囲で止まらず暴走して自己組織を傷めることもあり得ます。そのようなことを起こす成分が入っていないか、ワクチンは、通常の医薬品と比べてもケタ違いに多くの人を対象とした臨床試験による安全性確認を経て承認されていますが、人間は一人ひとり違うので、絶対に起きないとは断言できません。 異物の混入などワクチンの品質不良によっても、健康被害は起きる可能性があります。そのような品質不良が生じないよう、製造所と製造方法は厳密に規格や手順が管理されており、出来上がったワクチンに関する品質検査も、メーカー、国の両方で行われています。しかし、人間のやることに絶対はなく、どこかですり抜けが起きてしまう可能性はあります。 これら二つの副作用に関しては、起きたらすぐ検知して対策を取れるよう、予防接種後に発生した健康被害は因果関係の有無を問わず情報収集されています。 最後に、針を皮下や筋肉に刺すことによる心身相関の健康被害も起こり得ます。 様々な副作用の可能性を挙げてきましたが、これらを全部合わせても、病気そのものが流行してしまうよりケタ違いに被害は軽い、と専門家によって判断されたワクチンだけが、承認され使われています。


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