ロハス・メディカルvol.135(2016年12月号)

ロハス・メディカル2016年12月号です。リン酸探検隊パン花粉症の舌下免疫療法、睡眠と性差、頭を使って空腹の時はトレーニングを、有酸素運動と血管内皮の機能の関係、カルシウムサプリの心臓への悪影響、予防接種って何なの3、オプジーボの光と影7など


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考え方や行動の偏りを正して、うつや不安障害を改善する認知行動療法。薬物療法よりも効果が認められ、保険も利きますが、普及には課題も。受診するほどでなければまず「ここれん」を試しては、というお話です。第18回LOHASMEDICALVIEWうつや不安障害の治療として、認知行動療法に注目が集まっています。専任編集委員(米ミシガン大学大学院環境学修士)堀米香奈子うつ・不安症は練習で改善できるとり、心のストレスを軽くしていくのが認知行動療法です。患者さんに共感的に接しながら、エビデンスに基づいて働きかけていきます」。そう話すのは、千葉大学大学院医学研究院認知行動生理学の清水栄司教授です。 「治療は週に1回50分程度の面接と『ホームワーク』と呼ばれる宿題が基本です。16∼20週続け、様子を見て期間を延長することもあります」 面接では、様々な状況で自動的に沸き起こってくる思考やイメージ(「自動思考」と月号で、「ポジティブな感情を強く持つ人ほど認知症リスクが下がる」のは、認知症とうつに関連があると考えられ、前向きな心がうつの予防・改善につながるためとご説明しました。今回はそこで少しだけ登場した「認知行動療法」をご紹介します。 認知とは、ざっくり言えば現実の受け取り方やものの見方、考え方です。「うつや不安障害の患者さんが陥ってしまっている、考え方や行動の〝偏り〟を正してバランスを言います)に焦点を当て、患者の考えや思いこみを治療者と患者が一緒に検証し、患者自身で答えを見つけ出すことで、認知の歪みを修正していきます。 ホームワークでは、面接で話し合ったことを実生活で検証し、認知と行動の修正を実践し、定着を図ることが必須の課題となります。つまり、日常生活が治療の重要な場となるのです。患者はそれを日記として面接時に提出します。書き出す作業も、認知と行動の変化・改善や、その定着を助けることにもなります。 うつ病に対する認知行動療法は、既に効果が認められ、実施している医療機関もあります。不安障害(パニック障害、社交不安障害、強迫性障害、心的外傷後ストレス障害)も、「薬物治療より効果が高いという国内外での研究結果が既に出ており、発表を待つばかりとなっています」と清水教授。実際、エビデンスの積み重ねが実を結び、不安障害に対する認知療法・認11今回のお話は…薬物療法より有効


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