ロハス・メディカルvol.135(2016年12月号)

ロハス・メディカル2016年12月号です。リン酸探検隊パン花粉症の舌下免疫療法、睡眠と性差、頭を使って空腹の時はトレーニングを、有酸素運動と血管内皮の機能の関係、カルシウムサプリの心臓への悪影響、予防接種って何なの3、オプジーボの光と影7など


>> P.20

出典:清水教授提供、編集部にて改変認知行動療法とはLOHASMEDICALVIEW知行動療法は、今年4月の診療報酬改定で、従来のうつ病などの気分障害に適応拡大という形で追加されました。 ただ日本では、うつ病や不安障害には薬物治療が先行している現実があります。「現在の『医師による30分の面接で5千円(患者の支払いは3割負担で1500円)』という設定のままでは、医療機関にしてみれば、経営的にやっていけません」と清水教授は指摘します。 認知行動療法の普及に向けて期待がかかるのが、2015年に法律が成立した「公認心理師」です。これまでの「臨床心理士」は、あくまで認定協会資格でしたが、公認心理師は、大学院で訓練を受け、現場でも医師の指示を受けて認知行動療法を提供する国家資格となることが期待されます。作業療法士や理学療法士と同じく医療スタッフとして医療機関に配置されることが想定されています。 ただし普及のためには、さらなる診療報酬改定が求められそうです。「公認心理師が医師の指導の下に提供する場合についても、診療報酬が設定される必要があります。また、現状に合わせ、50分という時間枠に変更して診療報酬を上げ、相応の評価が得られるようにしなければなりません」(清水教授) 認知行動療法に興味を持ったという方は、まずは精神科あるいは心療内科で相談してみてください。そこで行われていない場合は、紹介を受けることもできます。 日常生活に支障はないので受診するほどではないけれど、気分が落ち込みがち、あるいは何か特定の状況や環境などに苦手意識があってちょっと困っている、などといった状況がある人は、試しに「ここれん」を実践してみてはいかがでしょうか。 「ここれん」は、清水教授たちの開発した簡易版認知療法です。「心の練習」として、一日5分、7つの質問を自分に行うことで、悩みやストレスを捉え直し、心の健康づくりを目指すもの。次のページにありますので、効果を期待する人は、気軽に、ただし毎日続けてみてください。どんどん気持ちが萎縮して落ち込んでいく充実した毎日悪循環良い循環ストレスなどの出来事うつ病に至るパターン心の健康が保てるパターン認知行動療法で変える「私では、だめだ」考え(認知)「私でも、何とかできる」考え(認知)「ともかくまず人に会ってみよう」行動「適度な緊張が楽しい」感情「人に会うのはやめよう」行動「憂うつだ」感情1日5分「ここれん」


<< | < | > | >>