ロハス・メディカルvol.135(2016年12月号)

ロハス・メディカル2016年12月号です。リン酸探検隊パン花粉症の舌下免疫療法、睡眠と性差、頭を使って空腹の時はトレーニングを、有酸素運動と血管内皮の機能の関係、カルシウムサプリの心臓への悪影響、予防接種って何なの3、オプジーボの光と影7など


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LOHASMEDICALVIEW究所所長から事前に受けた説明によると、「そうしないと国から研究費が来ないということもあって、基礎研究者たちは創薬につながる研究を心がけるようになってきているけれど、薬になるかばかり意識すると科学の本質を見失う危険があるし、首尾よく薬につながったとしても、それが高額になり過ぎて患者さんの手に届かないとしたら、自分たちが一体何のために研究しているのか分からなくなってしまう」との問題意識から企画したとのことでした。 自分が医療従事者でも基礎研究者でもないことから、そのような視点で考えたことがありませんでしたけれど、問題意識の存在を知り、その立場から考えてみたことによって、今までと少し違った情景が見えてきました。 皆さんも、国から基礎研究者たちへ、自己満足の科学研月初旬に横浜で開かれた日本癌学会学術総会の「高額医療費時代の次世代がん医療開発」というパネルディスカッションに呼んでいただき、「高額医療費時代に産学連携は必要か」というタイトルで約20分話をしました。この学会には、がんの基礎研究者が多く参加しているそうです。 パネルディスカッション座長の野田哲生・がん研究会研10究をするのではなく出口を意識した産学連携を推進せよと働きかけられていること、基礎研究者たちが順応しようとしつつも若干の違和感と不安を抱いていること、恐らくご存じなかったことと思います。 この流れの先に、「良い薬」が次々に日本から生み出され、世界中の患者たちを救っていく、そんな未来が待っているこれから続々と出て来るであろう良い薬の恩恵に、果たして私たちはいつまで浴することができるでしょうか。とあるご縁をいただいたことから、ここ数年マズイ流れが進行中なことに気づかされ、そのことをお知らせしたいと思うのですが、その前に、オプジーボ(ニボルマブ)薬価問題への当局の対応は極めて罪が重く、きちんと総括しないと将来祟るであろうことを指摘しておきます。本誌編集発行人川口恭既存のルールを使わず国の信頼に傷つける愚オプジーボの光と影7癌学会での筆者(向かって一番右)。その向かって左が森審議官。26


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