ロハス・メディカルvol.136(2017年1月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2017年1月号です。


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第5回「この食品にリン酸がこう使われている」という食品業界の事情をご存じの方、ぜひRINSAN@LOHASMEDIA.CO.JPへ情報提供をお願いします。LOHASMEDICALVIEWの製造に用いられるアルカリ剤で、炭酸カリウム、炭酸ナトリウ、炭酸水素ナトリウム及びリン酸類のカリウム又はナトリウム塩のうち1種以上を含む」と定義されています。つまり、中華麺にはリン酸塩が使われている可能性がある、ということです。 中華麺大手※3社の広報部署に問い合わせました。 生麺製品の2大巨頭は、対応が分かれました。 東洋水産は、「弊社が使用しているかんすいにも一部リン酸塩含有のものがございま工食品のリン酸塩の使用状況を問い合わせてみよう」企画、今回は中華麺です。 中華麺とは、「小麦粉にかんすいを加えて練り合わせた後製めんしたもの」と、生めん類の公正競争規約で定められています。いわゆるラーメンの他、冷やし中華やつけ麺、焼きそば、ちゃんぽんなどです。かんすいが使われていなければ、「うどん」との分類になるそうです。 かんすいは、中華麺独特の風味やコシ、黄色味を出すために添加される食品添加物で、厚労省通知では、「中華麺類す」。目的は「中華麺独特の食感を出すため」とのことでした。リン酸塩の種類と量は「製造ノウハウ」なので公表できないそうです。 一方、シマダヤは、「社外秘となっており、公表を控えさせていただいております」と完全なゼロ回答でした。 そして、即席麺(袋入・カップ)を含んだ売上でトップの日清食品からは、主要12製品について、リン酸塩の含有量の代わりに、リンの総含有量のデータを得ました(イラスト参照)。リン酸塩は、12製品「全て使用しています」とのことです。 参考までに、文科省の食品成分データベースによれば、麺100Gのリン含有量は、「中華めん(生)」が66㎎、「即席めん」は110㎎、「中華スタイル即席カップめん(油揚げ)」は120㎎でした。 今回の調査では、さらに意外なことが分かりました。ふと手にしたカップうどんの原材料に、中華麺では見かけなかった「リン酸NA」との表示があるのに気づきました。 これについては、東洋水産は「食感改良を目的に使用しております」とのことでした。 日清食品からは主要2商品のリン含有量を教えてもらうことができました。一食あたりは、カップ麺の「日清どん兵衛きつねうどん(東)」が166㎎、袋入の「日清どん兵衛生うどん食感」も161㎎と、主要な中華麺製品を上回る結果となりました。「めんの食感や特有のコシと風味など、めんの美味しさを出すため」に添加しているとのことです。 今回の調査から、特に即席麺(うどんも)は含有量が多いので食べ過ぎに注意、と言えそうです。「加腎臓を傷つけ、老化を早める可能性があるけれど、どの食品にどれ位含まれているのか、よく分からない。そんなリン酸を追います。中華麺ほりごめ・かなこ●本誌専任編集委員。米ミシガン大学大学院環境学修士。小学生2人の母。文:堀米香奈子イラスト:オオスキトモコオオスキ・トモコ●イラストルポを得意とするイラストレーター。食品の安全性や「食」まわりの記事・イラストを多く手掛ける。武蔵野美術大学卒。「全てに使用」即席うどんに?


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