ロハス・メディカルvol.136(2017年1月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2017年1月号です。


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手弁当で行くなんてのは怪しい、という論理も成り立つということです。小松その警察の話は、それなりに正しい、その通りだと思いますよ。日本の選挙の法律って、市民社会を前提にしていて、民主主義社会をみんなで作り上げているという前提の下にやってる。でも、実際に選挙を手伝っているのは、既得権益を守るための人が報酬なしでやる。そういう自分の利益なしに不特定多数のためなんて、金をもらわずやるヤツなんかいるわけないじゃないか、と。梅村たしかに何かを狙っているから無報酬でやる人もいるわけで。世の中全体に奉仕をするために、仕事を休んで収入ゼロにしてやる人がいるのかという話ですね。小松ただ、報酬がいかんとなると、この国の民主主義が果たして守れるのかという感じがします。梅村そうです。今回感じたのは、この今の公職選挙法では、政治のマニアしか選挙に関わりにくいなということです。小松既得権益者だけですよ。梅村そう、既得権益者しか選挙を手伝うモチベーションが生まれにくいということです。結局一般の方が無報酬(ボランティア)で選挙に参加するのは、ハードルが高いということなんです。小松その意味では、むしろ、ある程度の数の人間に対しては適切な額の報酬を払うのが当然だと思いますよ。梅村そうですね。僕も今回思ったのは、1日の上限と人数を決めて、その範囲内であれば運動員に対しても報酬を払える、と、そういう風にした方がいいんじゃないかと。たたちは無報酬なのに梅村を応援しているんだ、と警察に訊かれてるわけです。梅村の話をこの間聴いて、日本の医療を変えるために応援せなあかんと思ったから、と言ったら、「本当か?」というわけですよ。利益がないにもかかわらず無報酬で行くわけがない、後で何かをしてもらう約束をしていたことはないのか? という論理(疑い)です。小松警察も公式には、そんなことさすがに言わないでしょう。梅村もちろん警察も本気でそうは思っていないと思いますよ。あくまでそんなことを訊かれた人がいるというだけですから。ただ、自分が好きでファンで心から応援したいと、そういう純粋な気持ちで、こんなグレーな状況が言われるんでしたらね。結局下心があるけれど隠しているヤツと実利のあるヤツしか来ないってのが、今の一般的な見方なわけですから、そんなやり方をしていると、結局既存の勢力を守るために全エネルギーを使うという人間ばかりが選挙事務所に寄って来る。民主主義の根幹の部分に寄って来ると。そういうことになるんでね。こんなことで民主主義が委縮するくらいだったら、公職選挙法を変えて、限度を決めてある程度報酬を認めるというのも、ありかなとも思いますけど。小松本当にそうですね。だけど、いずれにしても今の日本人のままでは民主主義は無理な気がするな。主権者として意思表示できる韓国人を私は偉いと思います。梅村トランプ氏が大統領に選ばれたというのも、色々な見方はあるんでしょうが、ある意味アメリカの民主主義のLOHASMEDICALVIEW今の日本人のままで民主主義は守れるのか


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