ロハス・メディカルvol.137(2017年2月号)

ロハス・メディカル2017年2月号です。睡眠と免疫の関係、水晶体とオートファジー、体幹トレーニング、血管の傷みが分かる検査、亀田総合病院事件、小松秀樹、がん対策基本法の狙い、オプジーボの光と影9など


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LOHASMEDICALVIEW関だというイメージで売ってたわけで、私が行政を批判する文章を書くのに、彼らは賛成だったんですよ。梅村副院長としての仕事のメインが言論活動だったということですか。小松他にも色々やりましたよ。まず行ってみて分かったのが、あの辺りの人口が毎年1%ずつ下がってくるんです。3市1町(鴨川市、館山市、南房総市、鋸南町)のうちの2つが20年ぐらいの間に限界自治体になってしまう、と予想されてたんです。亀田も手術は伸びてたんですけど、シミュレーションしてみると当然ですが外来は減る。減り始めると急激に減る。それで、大変だ、この流れを食い止めないといけない、千葉県でも東京に近い松戸や柏、市川なんかは、今後、高齢者が倍増するので患者が増えます。本拠地を移すのがベストだと勧めたんですが、資金がなかったようです。どうしようか、梅村ところで先生が亀田へ行かれたのはいつでしたか。小松2010年です。梅村最初は三顧の礼で迎えられたわけですよね。亀田としても、先生を受け入れることで、言論を通じた軋轢はあり得るだろうという前提で雇ったんじゃないんですか。小松そう思いますよ。私は言論活動をずっとやっていて、私の言論活動に経営陣は賛成していたんです。つまり、亀田は誇り高き自立した医療機とにかく大きなことを打ち出そう、ということで2012年3月に安房10万人計画というのを打ち上げました。実際には、人口の減少を食い止めるのは難しいと思ってました。梅村それで何をやったんですか。小松まず無料低額診療※です。館山で大きな工場が2つ潰れて、ちゃんとした職がすごく少なくなってたんです。で、国保の被保険者の30%ちょっとが滞納しているという状況でした。そういう人たちにも医療を提供しようということですね。それから寄付制度に、ふるさと納税を介して税金を減らそうという話、それを制度としてこちらから提案して作ってもらいました。それから館山に安房医療福祉専門学校というのを作りました。梅村医療福祉の専門学校ですか。小松現時点では看護学校で小松秀樹元亀田総合病院副院長(中)患者の自律をサポートするには何が必要なのか、元参院議員・元厚生労働大臣政務官の梅村聡医師が、気になる人々を訪ねます。(左)小松秀樹・元亀田総合病院副院長。1974年東京大学医学部卒業。山梨医科大学泌尿器科助教授、虎の門病院泌尿器科部長を経て2010年に亀田総合病院へ。(右)梅村聡 2001年大阪大学医学部卒業の内科医。医療法人適塾会理事長。※無料低額診療 低所得者などに医療機関が無料または低額な料金で診療を提供すること。実施には都道府県への届出が必要。


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