>> P.13
実は、日本人の摂取するオメガ6脂肪酸の98%は、アラキドン酸の親玉とも言えるリノール酸。サラダ油に利用されている大豆油の他、一部のひまわり油、綿実油、コーン油などでその割合が高くなっています(グラフ)。 「過剰摂取となっているリノール酸の摂取を意識的に減らし、積極的にオメガ3脂肪酸を摂取するよう心がける必要があります」と吉田教授はアドバイスします。減らしたいリノール酸植物油中の主な脂肪酸の比率(平均値)ひまわり油(ハイリノール)コーン油綿実油大豆油ごま油なたね油(ローエルシック)ひまわり油(ハイオレイック)オリーブ油飽和脂肪酸不飽和脂肪酸100(%)0オレイン酸リノール酸リノレン酸その他59.854.856.354.243.518.89.07.7出典:日本油脂検査協会資料より編集部にて作成©PLAYMOBIL/GEOBRABRANDSTÄTTERSTIFTUNG&CO.KGるのをやめましょう。 というわけで不飽和脂肪酸を多く含む食品や油は、鮮度と保存の仕方が非常に大事です。 購入の際は、生鮮食品なら、冷暗状態で管理された新しい物を選びましょう。加工食品は、光を通しにくい容器・包装の物、油脂類なら色の濃い瓶や外箱に入っている製品がお勧めです。油脂類は、できれば製法も確認しましょう。例えばえごま油など種子を原材料とする植物油では、種子を焙煎してから搾油する製法の製品は酸化が進んでいることになります。流通段階での状態までは判断が困難ですが、せめて店頭での管理体制は信頼できそうか、チェックしたいところです。 生鮮食品は購入後速やかに、油脂類や加工食品も開封後はできるだけ早く消費することが大事です。保存する場合は、生鮮食品は冷暗所へ、油脂類や加工食品は、製品のラベルにも書いてあるとおり、高温を避け、温度の安定した暗い所で保管するのが基本です。 なお、加熱調理でも油脂の酸化は進みます。特に高温になる揚げ油を繰り返し使うことは、このシリーズでもご紹介したAGE(終末糖化産物)に加えて、酸化による毒性物質が蓄積することになり、お勧めできません。 EPAやDHAは、焼く・煮る・蒸す・揚げる、電子レンジ、いずれの調理方法でも、たった2分で著しく減少したという実験結果があります。短時間の調理を心がけましょう。