ロハス・メディカルvol.139(2017年4月号)

ロハス・メディカル2017年4月号です。「口から人生を豊かに」特集スタート。初回は清潔6つのお得です。片切寛氏voice。口内炎も2週間続いたら要注意。血管を守る特集は最終回、中性脂肪で血管が傷む。抗生物質って何?。リハビリが続かない、どうしたら?リン酸探検隊も最終回。梅村聡氏と井上清成氏の対談ほか。


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LOHASMEDICALVOICEたちの機構は、保険者(健保組合や共済組合、市町村など)が行う保健事業(被保険者や家族の健康を守るための取り組み)の費用対効果を上げて果実を保険者に還元しようと、保健事業を提供する事業者が集まった団体です。私個人も、長く保険者と共に仕事をさせていただいてきたことから、事業の一線を退いた今、ご恩返しのため設立しました。 これまで黒衣のように蔭から国民皆保険制度を支えてきた保険者ですが、高齢化と高騰する医療費によって財政事情が厳しくなっており、これまでのように被保険者や家族、そして保健事業者が甘えるだけで、おんぶに抱っこを続けていると、共倒れになってしまいます。そうなれば国民皆保険制度も維持できません。 被保険者、家族、保健事業者すべてが、自分たちの利益のためにも、保険者を守る必要のある時代になったのです。私たちは、保健事業によって被保険者や家族の健康寿命を延ばし、医療給付費の伸びを抑えたいと考えています。 具体的な第一歩として私たちは、「口から人生を豊かに」の社会運動を提唱します。 保健事業として現在広く行われている特定健診(メタボ健診)は、それなりに効果があったとは言われているものの、保険者から見て医療費抑制の果実を感じにくいことは否めません。 もっと即効性のある取り組みはないものかと、先進的な健保組合の担当者たちがデータを持ち寄って検討する中で、見えてきたのが、「口」の健康の重要性です。 健康保険から医療費給付の行われているほとんどが「治療」で、1件あたりの金額も大きく、悪くなる前に「予防」として歯科医を受診してくれていれば、総額ははるかに少なくて済んだというシミュレーション結果が出たのです。 多くの高齢者が「若い時から、もっと歯のことを気にしておけば良かった」と後悔しているそうです。そんなことも考え合わせると、もっと若いうちから予防的に歯科を受診するのが当たり前になっても良いのではないでしょうか。 最近では、特に歯周病が糖尿病や全身の血管などに悪影響を与えると知られるようになり、口の健康を守ることで、巡り巡って生活習慣病などの医療費が減るかもしれないとの仮説も出てきています。 国民全員が、日々しっかり口を自己管理すると共に、何も問題のない段階から歯科を定期受診しメンテナンスを受ける、そして健康寿命を延ばし人生を楽しむ、そんな時代が来て困る方はいないはずです。この運動、ご一緒にいかがですか?国民皆保険を守るため「口から人生を豊かに」しよう片切寛 一般社団法人保険者サポーター機構 代表理事かたぎり・ひろし●1951年生まれ。東燃健保常務理事を経て、(株)バリューHR(東証一部)の創業に参加。多くの健保設立に携わると共に、アクセンチュア健保、あらた(現PWC)健保常務理事の他いくつかの健保顧問を務めた。2015年のバリューHR取締役退任後、保険者サポーター機構を設立。現在は市原市少年野球協会理事長も務めている。私


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