ロハス・メディカルvol.139(2017年4月号)

ロハス・メディカル2017年4月号です。「口から人生を豊かに」特集スタート。初回は清潔6つのお得です。片切寛氏voice。口内炎も2週間続いたら要注意。血管を守る特集は最終回、中性脂肪で血管が傷む。抗生物質って何?。リハビリが続かない、どうしたら?リン酸探検隊も最終回。梅村聡氏と井上清成氏の対談ほか。


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LOHASMEDICALVIEW界では必ずしも生存に有利と限りませんが、抵抗力のある抗生物質の存在下では、生存競争するライバルが弱っているため急速に勢力を伸ばすことにつながります。また細菌は、獲得した新たな性質(遺伝子)を交換し合ってもいます。 ということで、ある抗生物質を使えば使うほど、その薬の効かない耐性菌がどんどん増えます。こうなると、その薬は、もはや使い物にならないので、細菌と人の細胞との別の違いを見つけ、そこを狙う薬が必要になりました。 こうして、細菌の増殖に必須だけれど私たちには必須でない化学物質やタンパク質、細菌が生存のため使う遺伝子の情報である核酸など、次々と新たな目標を探し出しては、そこを狙う薬を作るのだけれど、やがて耐性菌が現れるというイタチゴッコが続いてきたのです。 この歴史から、抗生物質は様々な種類があり、開発も続けられています。そして残念ながら、人間が抗生物質を開発するスピードより、耐性菌誕生のスピードの方が速いため、既に存在している抗生物質を上手に大事に使っていくしかなさそうだと近年分かってきました。 なお、耐性菌が登場してしまったら世界の終わりというものでもなく、細菌同士は生存競争をしているという関係上、ある抗生物質を使わないでいると、その抗生物質への抵抗力は持っているけれど必ずしも生存に有利でないという耐性菌は淘汰されることもあります。 よって耐性菌を産み出さないためにも、耐性菌の住すみか処を増やさないためにも、抗生物質を使う場合、できるだけ少ない種類の細菌に効く(狭域と言います)ものを選ぶことが大切です。最初から広域のものを使うとロクなことになりません。


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