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LOHASMEDICALVIEW傷を負うような結構シンドイ話をやんないといけない。やる気になればやれるけど、やらないことにもできる。それを皆がやらなくなったら、冤罪にしても何にしても掘り起こされないまま終わっちゃうかもしれませんよね。折角弁護士になったんだから意義あることをやりたいよね、と内心思っていたとしても、できない状況なら無理はしませんよ。お医者さんでも同じで、しかも弁護士が関わるロットに比べて、医療が関わるロットはけた外れに大きいので、少しずつでも引いちゃうとすると、その損失は掛け算で、もの凄くデカい。梅村 年20回病院に行く人はいるけど、年20回弁護士事務所に行く人なんていませんものね。2000年くらいから医療の相談が増えてきた、ということでしたけど、その頃に警察への届け出もグっと増えましたよね。あれは先生、法曹側で需要を掘り起こすような活動があったのか、そうではなくて社会そのものが変わってきたのか、あるいは医療側と患者側の関係が変わってきたのか。あの頃に何が起こってたんでしょうか。井上 一番のベースは、国民みんなが本当に詳しくなったわけではないけれど、医療というものに関する情報が、自然に多くなったことがあると思いますね。梅村 ネットですか、やっぱり。何と言うのかはともかく、やろうと思えば専門家は誰でもできる。さりげなくできる。でも、お医者さんみんなが半歩ずつ、一歩ずつ後退したら、トータルしたら何十万歩も後退しちゃう。そうすると、結局それによって、医療を受けられなくなったり、真面目なお話をできなくなったりして、結局国民はトータルとして損をするんじゃないかな。医療界も今まで見たことのない激動に巻き込まれていて、対応のし方がうまくないのも事実だから、もう少し上手にやったらどうですかという風に言ってるんです、と答えました。それ以降、あんまりそういうことを言われなくなりましたよ。梅村 目先のことじゃなくて、トータルの損失ですよね。井上 例えば弁護士の業界で皆がそれをやるというのは、10回に1回勝てる訴訟をやらなくなるとかいうことです。チャレンジして、こっちも刀井上 ネットが、そこまで普及していてなかったので、それだけとも言えないんじゃないでしょうか。昔は、お医者様の言うことは何も言わずにごもっとも、理解できないけれど先生の仰おっしゃることは正しい、というのが常識でした。ところが日本人全体、世界もそうだろうけれど、みんなに知恵とか学がついて、必ずしも分からなくてもお説ごもっともという時代ではなくなった。進学率だけ見たって、一昔前とは全然違うじゃないですか。梅村 よく言えば、リテラシーが上がった。井上 キレイに言えばそうなります。そうすると、何の世界でもそうなんですが、需要者のリテラシーが上がってくれば、専門家の言うことを批判なくお説ごもっともとは言わなくなります。それに加えて、法律家として見た時に、少し技術的な解説もできるかなと思います。(つづく)半歩ずつ後退させたら国全体で大変な損失25