ロハス・メディカルvol.142(2017年7月号)

ロハス・メディカル2017年7月号です。「口から人生を豊かに」4回目は、喫煙の悪影響。加えて骨も弱くなるようです。品川女子学院の生徒さんたちによるvoice。梅村聡氏の対談相手は、江崎禎英・経産省ヘルスケア産業課長。保険医療に提供格差ほか。


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「認知症にやさしい社会を」を合言葉に活動するNPO法人ハート・リング運動。お問い合わせは、INFO@HEARTRING.OR.JP か、03-3582-8100 まで。LOHASMEDICALVOICE第42回はいかがか、と思っています。 親が認知症と診断され、介護サービスを受けるようになるとケアマネジャーが招集してケアスタッフの担当者会議が開かれます。息子や娘も呼ばれますが、あまりに親の健康状態や普段の生活を把握しておらず、ケアスタッフに呆れられるという話をよく聞きます。離れて暮らしているので、よほど気をつけないと、そうなります。しかし、そうした情報不足から対策や判断が後手後手に回って損するのは、結局のところ息子や娘、そして認知症となった本人です。知症は確実な原因がまだ究明されておらず、根治できる治療法もありません。現役世代の多くの方が、「ウチの親も大丈夫か心配⋮⋮でもどうしたらいいの?」と不安を持っていることが推察されます。そんな現役世代の皆さんに向けて今回は書いています。 私は、足かけ20年を超える両親の認知症介護の経験から、まだ親が認知症になる前に、自分と家族の負担を最小限に減らすためやっておくべき「認知症対策準備活動」がある、と確信するようになりました。「認活(ニンカツ)」と称してハート・リング運動専務理事早田雅美 ケアマネジャーは、地域における一般的なパターンやメニューは熟知していますが、それが「ウチの親」にとっても最善である保証はありません。入所先やサービスの選択を誤ったため、何かに熱心だった親のできることを奪う結果となり、親の精神状態や体調の一層の悪化を招いたという話もよくあります。それは当然その後一家が負担する費用にも直結します。 そもそも、親の生活習慣や健康状態に配慮できていたら、「要介護」になること自体を、もっと先延ばしできたかもしれないのです。 そこで認活です。 まず、以下の項目の把握は不可欠だ、と私は考えています。 最近の健康状態、特に認知症との関連がささやかれている糖尿病など生活習慣病の有無や進行状態、さらに(有酸素)運動や喫煙、栄養状態、噛める歯や口腔の状態、健康診断や歯科チェックを受けているかいないか、毎日の過ごし方、悩み事はないか。 これらに問題点があった場合、できることを改善するのも、「今できる認活」に他なりません。また、やり残している夢、歯や入れ歯の状態、この二つをきちんと把握しておくと、仮に認知症になっても状況悪化のブレーキとなる可能性が高いです。 どんな薬を飲んでいるかも重要で、将来に向けて親の「かかりつけ薬剤師」との関係強化をお勧めします。金銭面でも「相続」の話の前に介護に割ける資金の情報は大切で、現在では万一の介護に向けた様々な民間保険も出始めています。 離れて暮らす親子が協力し合って健康や暮らし全般の「相互理解」を深める共同作業の「認活」、皆さんも始めてみませんか?親の認知症が心配な現役世代の皆さんへ「認ニン活カツ」のススメ認30


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