ロハス・メディカルvol.142(2017年7月号)

ロハス・メディカル2017年7月号です。「口から人生を豊かに」4回目は、喫煙の悪影響。加えて骨も弱くなるようです。品川女子学院の生徒さんたちによるvoice。梅村聡氏の対談相手は、江崎禎英・経産省ヘルスケア産業課長。保険医療に提供格差ほか。


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過去の特集はWEBで!!HTTP://LOHASMEDICAL.JP©ロハスメディア2017(無断転載禁止)〒107-0062東京都港区南青山2-2-15 ウイン青山616 株式会社ロハスメディア内 ☎03-5771-0073「ロハス・メディカル」編集部:ARTDIRECTION&DESIGN:HOSOYAMADADESIGNOFFICEPRINTEDINJAPAN 株式会社テンプリント読みやすい大きな活字。購読・登録でTポイントたまります。HTTP://MAINICHI.JP/お問い合わせは0120-460-012毎日新聞はロハス・メディカルを応援します!バックナンバーは、すべて電子書籍として無料公開しています。ご活用ください。ロハス 医療検索来」のレセプト出現率(全国平均を100とする)は最低の岩手県が26だったのに対して、最高の鹿児島県では240と何と9倍以上でした(図3)。また「人工腎臓(慢性維持透析)(4時間以上5時間未満)外来」のレセプト出現率も最低の秋田県51に対して、最高の宮崎県は163でした(図4)。 提供の面から見て、国民皆保険は明らかに全国不均一なのです。 実は、例に挙げた4つの県で、支払基金でコンピュータが付箋を付ける割合も最終的な査定率も、ほとんど同じでした。格差の是正に、都道府県ごとの審査は全く役に立っておらず、むしろ不均衡を固定化しているとすら言えます。 ここまで不均衡が大きいと、提供は少ないのに費用だけは払わされているという都県住民(主に東日本、特に首都圏)は、いずれ堪忍袋の緒を切ることでしょう。 経済学の教科書では、このような不均衡は価格が媒介することによって是正されていくと教えます。足りない所では価格が高く、余っている所では低くなるので、需要者や提供者が移動して平準化されるというわけです。医療でも、診療報酬1点をいくらに換算するか都道府県によって変えるというのが、問題是正に最有力である可能性の高い手段です。しかし、この価格、法的根拠はないのに全国一律が堅く守られています。地域包括ケアでも、病床数など提供体制に地域で決めて枠をはめなさいとは言うものの、診療報酬換算の自由は与えられていません。 国民皆保険の運営が根本的な所で間違っているかもしれないこと、徐々に可視化されつつあります。LOHASMEDICALVIEW レセプトの審査は、専門家の審査委員たちが最終判断しているので、最初のチェック項目が多かろうが少なかろうが一定の妥当な所に落ち着くはず、という考え方はあるでしょう。 全国一律の審査委員会であれば確かにそうとも言えるのですが、現状は審査委員自身が「地域内の医療機関の請求傾向といった地域医療の状況を把握して」審査することが大切だ、と厚労省の検討会で述べており、良く言えば柔軟、悪く言えば恣意的な審査が行われていると考えられます。 医療側の審査委員は、地区の医師会、歯科医師会、薬剤師会が推薦することになっています。つまり、何かで地区のボスに目を着けられた場合、ここで狙い撃ちされる危険があることになります。 そんなことはしていないと関係者は言うでしょうけれど、やる気になったら可能という時点で充分に問題です。医師会に逆らえない理由29


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