ロハス・メディカルvol.110(2014年11月号)

『ロハス・メディカル』2014年11月号。寝たきり予防にフレイル予防、呼吸同期照射、交代勤務と睡眠、脂質を摂り過ぎると酸化、がんと慢性炎症の関係、即席ラーメンで女性はメタボ危機、アドバンス・ケア・プランニングほか


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飽和脂肪酸拡大炭素二重結合活性酸素水素水素水素ごと電子を奪い、脂質を酸化させる1価多価例:オレイン酸活性酸素に狙われやすい活性酸素に狙われやすい活性酸素に狙われやすい例:EPA例:リノール酸不飽和脂肪酸不飽和脂肪酸が酸化過酸化脂質(連鎖的)アテローム形成細胞にダメージ!飽和脂肪酸炭素炭素LOHASMEDICAL©PLAYMOBIL/GEOBRABRANDSTÄTTERGMBH&CO.KG. 不飽和脂肪酸は構造上、飽和脂肪酸と比べて酸化しやすく、体内で「過酸化脂質」という問題児を生み出しがち。過酸化とは脂質が酸化されてダメージを受け、なおかつ不安定になってしまった状態で、悪影響が連鎖的に広がってしまいます(コラム)。血管内皮細胞の細胞膜もリン脂質、例外ではありません。 現代日本では、オメガ6系脂肪酸の過剰摂取が問題になっています。酸化LDLの増加を招き、動脈硬化を悪化させる元凶というわけです。 過酸化脂質は、脂肪酸が活性酸素によって酸化された状態です。不安定で、近くの脂肪酸から水素ごと電子を奪って安定化しようとするため、いったん過酸化が始まると、隣り合った脂質へドミノ倒しのように次々に広がってしまいます(連鎖的脂質過酸化反応)。過酸化脂質とその連鎖オメガ3系脂肪酸⃝イワシやサバなど青魚の油に多いDHAやEPA、エゴマ油(シソ油)、クルミにも含まれるΑリノレン酸など。⃝HDL上昇や中性脂肪低下の効果。⃝酸化しても体内で迅速に代謝される。オメガ6系脂肪酸⃝大豆油やコーン油、紅花油、菜種油、ゴマ油、ヒマワリ油など、一般的なサラダ油に含まれるリノール酸、肉に含まれるアラキドン酸(リノール酸からも体内合成)など。⃝リノール酸には一過性のコレステロール低下作用があるが、長期的には飽和脂肪酸と変わらず、摂り過ぎれば上昇する。⃝アラキドン酸過剰は炎症やアレルギーの原因に。⃝オメガ3系より代謝されにくく、酸化後に体内で問題を起こすことに。二重結合が1カ所。不飽和脂肪酸ではもっとも酸化しにくい。⃝オリーブ油に多く含まれるオレイン酸など。二重結合が数カ所あり、その位置でさらに分類。オメガ3系とオメガ6系は体内合成できないため食事から摂る。(必須脂肪酸)※健康増進には、オメガ3系の摂取量を増やし、オメガ6系の摂取量を減らすべきとされるが、現代日本ではオメガ6系の過剰が問題となっている。


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