ロハス・メディカルvol.110(2014年11月号)

『ロハス・メディカル』2014年11月号。寝たきり予防にフレイル予防、呼吸同期照射、交代勤務と睡眠、脂質を摂り過ぎると酸化、がんと慢性炎症の関係、即席ラーメンで女性はメタボ危機、アドバンス・ケア・プランニングほか


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習慣病予防で心掛けることと、そんなに変わらないと考えられています。 問題は、3位から5位までです。これらすべての根本に加齢による衰えがあり、そしてある時点までならば、医療や介護のお世話にならなくても、自力で健康な方向へ戻ることができます。 その、まだ自力で戻れるギリギリ崖っぷちの状態の加齢による衰えを「フレイル」※と呼びます。※英語ではFRAILTY(フレイルティ)ですが、日本老年医学会では「フレイル」と呼ぶことを提唱しています。(平成25年 国民生活基礎調査より)高橋泰・国際医療福祉大大学院教授 高橋泰・国際医療福祉大大学院教授(写真)が、医療介護の資源に恵まれた地域(熊本県相良村)と、それが乏しい地域(愛媛県大三島)で、5年以上高齢者の要介護度などの変遷を追跡調査を行ったところ、以下のような結果となりました。 「相良村では、自立が虚弱に、虚弱が虚弱のまま、要介護状態の人が要介護状態まま留まる確率が高かった。(中略)手厚い介護は、助けてもらう瞬間はうれしいが、虚弱の人が自立に戻るチャンスを奪い、虚弱や要介護の期間を長期化する影響があることである。 (中略)大三島では、自立の人が自立、虚弱の人が自立に戻る、自立の人が短期間で死亡、虚弱の人が短期間で死亡する確率が高かった。医療・介護の介入が少ない大三島では、虚弱の状態でも人の援助がもらえず、その時は厳しいが、自分でやっているうちに虚弱から自立に戻る可能性が高い。また、医療介護の介入が少ない方が、虚弱や要介護の期間が短い人生を送れる可能性も高いようである。介護に頼り過ぎない生活をめざせば、ピンピンころり型で老いていく可能性が高いように思われる」(2014年モダンホスピタルショー講演『人口減少社会に向かう日本の医療のあるべき姿』より)医療や介護が手厚いと介護は長期化する要介護の原因疾患フレイル※(加齢に伴って、筋力や心身の活力が低下した状態)から容易に移行脳卒中21.7%認知症21.4%高齢による衰弱12.6%転倒・骨折10.9%関節疾患6.8%LOHASMEDICAL


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