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LOHASMEDICAL 第一例のアザシチジンは2011年に、骨髄異形成症候群の治療薬として販売開始されました。以前は、幹細胞移植ができない高齢患者の多くは、輸血などの対症療法でしのぐしかありませんでした。アザシチジンを投与すると、対症療法のみに比べて約9・5カ月、生存期間が伸びると報告されています。欧米では、乳がんや肺がんなどの固形がんについても、臨床試験が進んでいます。 ただし、正常なDNAメチル化まで外してしまうことによる副作用も起きます。血液細胞を作る骨髄の働きが低下して、免疫力低下や貧血、出血しやすいなどの症状が現れるのです(骨髄抑制)。当然のことながら、予防投与などできません。 牛島分野長は、「脱メチル化薬は、抗がん剤や分子標的薬と違って、血中濃度を高くすればするほど効くというものではありません。基礎実験の結果からは、毒性が出るよりずっと低いレベルで使うと良いことが示唆されています」と説明します。 エピゲノム異常が関連すると見られる疾患は、がんだけではありません(表)。こうした裾野の広さから、エピゲノムの解析は世界的に急がれています。2010年発足の「国際ヒトエピゲノムコンソーシアム(IHEC)」には、米国やドイツをはじめとするEU数カ国、日本などが参加しています。「5∼6年前から世界中の“お金を動かす人々”の関心が、エピゲノムに向かってきている」(牛島分野長)そうで、急速な研究の進展が期待されます。世界が投資エピゲノム異常が見込まれる疾患がん胃がん、食道がん、血液腫瘍などほぼすべて精神疾患うつ、統合失調症、薬物依存症など神経疾患自閉症、レット症候群、パーキンソン病など代謝疾患 肥満、糖尿病、高血圧など心血管疾患動脈硬化、心筋梗塞、脳卒中など自己免疫疾患関節リウマチ、全身性エリテマトーデスなどアレルギー疾患アトピー性皮膚炎、花粉症、喘息など