ロハス・メディカルvol.110(2014年11月号)

『ロハス・メディカル』2014年11月号。寝たきり予防にフレイル予防、呼吸同期照射、交代勤務と睡眠、脂質を摂り過ぎると酸化、がんと慢性炎症の関係、即席ラーメンで女性はメタボ危機、アドバンス・ケア・プランニングほか


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おおにし・むつこ●医学博士。東京女子医科大学卒業。国立がんセンター、東京大学を経て2007年4月からボストンにて基礎研究に従事。LOHASMEDICALVIEW調査の対象となり、食品に関する計63項目のアンケートに答えました。 研究者らが、インスタントラーメンを食べる頻度と、メタボリック症候群やそのリスク要因との関連性を詳細に統計分析したところ、なぜか女性でだけメタボリック症候群との関連性が認められました。 週2回以上インスタントラーメンを食べる女性は、月に1度未満しか食べない女性に比べて68%メタボリック症候群の有病率が高くなり、週に1回インスタントラーメンを食べる女性では、月に1度未満しか食べない女性に比べて44%高くなることが示されたのです。こうした傾向は、平素の食事が伝統食中心であろうと肉・加工食品中心であろうと、調査対象の女性全般に認められた一方、男性では確認されませんでした。 つまり女性は、平素いくら健康的な食事に注意していても、インスタントラーメンを習慣的に食べるだけで、メタボリック症候群のリスクが高まるということになります。 女性でだけリスクが高まった理由として研究者らは、性ホルモンや代謝などの男女の生物学的な違いを考察しています。それ以外にも、食事パターンにおける摂取する食品群の割合が男女で違うこと、メタボリック症候群の診断における腹囲の基準に男女差があること、社会的に望ましいとされる回答をしてしまうために調査の正確さに影響が出ていること、などを可能性として挙げています。 研究者らはさらに、環境ホルモンとして知られる「ビスフェノールA(BPA)」と呼ばれる化学物質の関与も懸念しています。BPAは、女性ホルモンのエストロゲンと似た構造を持ち、ホルモン調節機構を攪かくらん乱してしまうことが指摘されています。インスタくて手軽なインスタントラーメン。昨日は夜食に袋麺、今日はお昼にカップ麺、と、ついつい利用している方も多いのではないでしょうか? このインスタントラーメンを食べる頻度が上がると、女性ではメタボリック症候群のリスクも上がるという研究が栄養学雑誌に報告され、この夏、米国内で大きな話題となりました。 研究は、米ハーバード大学の研究者らが2007年から09年の韓国の国民健康栄養調査を基に、インスタントラーメンを食べる頻度を含む食事パターンと疾病・健康状態の関係を分析したものです。 ちなみに世界ラーメン協会のデータによると、インスタントラーメン消費量トップ10カ国のうち8カ国がアジアで、韓国は13年に合計36億食も消費しており、1人当たり消費量が世界一です。 19歳から64歳の計1万711人(女性の割合55%)が、安第26回即席ラーメンで女性にメタボ危機内科医(ボストン在住)大西睦子なぜ女性だけ?LOHASMEDICAL


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