ロハス・メディカルvol.111(2014年12月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2014年12月号です。


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体に活躍させているのです。 しかし、この記憶システムが一度間違った解釈をしてしまうと、なかなか修正しません。この頑固さが命を守り続けてくれるのですが、異物でないのに毎度過剰に大騒ぎをするのがアレルギー反応です。花粉症の場合、鼻水、くしゃみや涙などは自分でケアをすれば何とか済みますが、食物アレルギーの場合は、命に関わるほどの過剰反応を起こしてしまいます。 食物アレルギーのアレルゲンは特定されているので、一般の人たちからすれば簡単に避けられると思っているようです。ですが、そうではありません。口にしなくても症状が出ることがあります。また、知らないうちに口にしてしまうことがあります。 厚生労働省や文部科学省では、食物アレルギーを持つ子どもたちが安心して園や学校生活を送れるよう、ガイドライン(指針)の制定を進めてきました。ようやく平成20年に日本学校保健会から「学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン」が、平成23年には厚生労働省から「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」が出されました。ご存じですか? よかったらぜひ目を通してみてください。ネットで検索すれば出てきます。 いざという時のガイドになるものですから、かなり詳しいです。この中身を読んで、十分に理解できるのは医療関係者と患者(お子さん)のご家族くらいでしょう。園、学校や保育所の先生方は、実体験がないと理解しづらい内容だと思います。しかし、現場に居合わせる立場として知らないでは済まされません。そのため、全く知らない先生方でも読んで分かるように、知っていてほしい要点がまとめられています。 私たちも、いざというときに活用できるようにガイドラインの存在を知っておくことが、とても重要なことです。周りにアレルギーの人がいようがいまいが、読んで概略を知っておけば、後悔しないで済みます。 健康意識が高まっている現代において、とかく自分の健康だけを考えがちですが、自分とは無縁の疾患に対しても目を向けることの大切さを意識したいと思います。それが今どきの大人の保健理科ではないかと考えます。LOHASMEDICALVIEWガイドラインを読もう 毎回、本文と関係のある絵本をご紹介していきます。 発刊が古くても解説がわかりやすい本がたくさんあります。また図書館にしかない本もご紹介いたしますので、ぜひお近くの図書館にお出かけください。栗原和幸監修ポプラ社 2014年近藤とも子著 大森眞司絵国土社 2010年日本免疫学会編イラスト石川ともこ羊土社 2008年大人にもオススメ子ども向け絵本よくわかるこどものアレルギー(全6巻)保健室で見るアレルギーの本①食べ物のお話からだをまもる免疫のふしぎ3ROBUSTHEALTH


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