ロハス・メディカルvol.111(2014年12月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2014年12月号です。


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DNARNADNAの情報を転写タンパク質コード領域(メッセンジャーRNA)(マイクロRNA)タンパク質非コード領域核細胞転写転写エクソソームに取り込まれる血中に分布翻訳転写後修飾の抑制翻訳抑制タンパク質MRNAMIRNAエクソソームたけした・ふみたか●1997年、北陸大学薬学部卒業。2003年、名古屋市立大学大学院博士課程修了、医学博士。同年より国立がんセンター研究所勤務。2009年、日本癌学会奨励賞受賞。2014年より現職。主な研究テーマは、ヒト由来がん細胞株を移植した転移モデルマウスを用いたRNAI医薬の開発。※胃がん、食道がん、肺がん、肝臓がん、胆道がん、膵臓がん、大腸がん、卵巣がん、前立腺がん、膀胱がん、乳がん、肉腫、神経膠腫。RNAは核を出入りすることができます。 RNAの働きとして古くから知られ、生物の教科書にも載っているのは、DNAに組み込まれているタンパク質の設計図を写し取って核外へ持ち出し、それを元にタンパク質を合成することです。 ただし、ゲノム(全遺伝情報)のうち、タンパク質の設計図となっているDNAは約2%しかありません。 残る98%は長らく意味のない〝ガラクタ〟と見なされ、その部分を転写してできたRNAにも役割はないと考えられてきました。ところがこの20年弱で研究が急速に進み、〝ガラクタ〟の部分から出来るマイクロRNAが、細胞内の遺伝子発現を抑制しているらしいと分かってきたのです。 これまでにヒトのマイクロRNAは2500種以上確認されています。そして、がん種ごとに発現が高まったり低下したりしている特徴的なマイクロRNAがあり、それぞれにがん転移や悪性化などとの関連も報告されています。 このため、がんの診断に使えるのでないかと始められるのが冒頭のプロジェクトです。 国立がん研究センターと国立長寿医療センターが患者の同意の下に採取し保管してきた、主要ながん13種※の血液サンプル5000例以上ずつを網羅的に探索し、がん種によって特異的なマイクロRNAを絞り込んでデータベース化しようとしています。 診断に使えるようなマイクロRNAが見つかれば、がんの早期発見に大きく貢献できるはずです。 そして実はマイクロRNAの使い道、診断だけに限りません。がんと関係あるかも竹下文隆LOHASMEDICAL


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