ロハス・メディカルvol.111(2014年12月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2014年12月号です。


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試験管内、培養細胞レベルで遺伝子に対する影響を検討、メカニズムの解析副作用の検討、多くの毒性試験を経て実用化へ例:ヒト肺がんモデルマウス例:ヒト膀胱がんモデルマウス合成マイクロRNAなどの核酸医薬を比較的送達しやすい臓器疾患、がんで減少するマイクロRNAを探索実験動物での検討網膜肺(経気管支)皮膚(表皮)膀胱(経尿道)発現を正常化がん抑制狙うRNAがあるということは、それによって制御されている遺伝子は、発現が下がったり上がったりしていることになります。がんだけで、そういう異常が見られるのなら、その遺伝子は細胞のがん化に関与している可能性が高いです。 このため「簡単に言ってしまえば、マイクロRNAを、その発現状況によって補充あるいは薬剤で抑制すれば、がん細胞の遺伝子発現を正常化できるのではないか、と考えました」と、国立がん研究センター研究所機能解析部門の竹下文隆部門長は話します。 竹下部門長たちは実際に、前立腺がんの細胞株から発現の低下しているマイクRNAを見つけ、それを補充するとどうなるか、動物実験しました。着目したのはマイクロRNA︲16(番号は、データベース上の識別コードで、番号自体に意味はありません)。細胞周期の制御に関与し、がんの悪性化に関わっていると考えられます。 まずマウスの心臓の左心室に前立腺がん細胞を注入し、それから10日間に3回、マイクロRNA︲16を注入投与しました。 がん細胞注入の28日後、マイクロRNA︲16を投与しなかったマウスでは、胸部、歯髄、脚などの骨組織にがんが現が上がったり下がったりしているマイクロ動物では使えた発マイクロRNA医薬品開発LOHASMEDICAL


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