ロハス・メディカルvol.112(2015年1月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2015年1月号です。


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められています。  こうして「医療用麻薬と言えばモルヒネ」という時代が何十年と続いてきて、今もよく選ばれているのです。      この2∼3年で、オキシコドンとフェンタニルもぐんと使いやすくなりました。  オキシコドンは低用量の徐放製剤・速放製剤が揃い、「軽度から中程度の痛み」にも使えるようになっています。初めて医療用麻薬を使う人や抵抗感や先入観がある人も、モルヒネよりもすんなり受け入れられるようです。2012年には注射剤も出て、内服が困難になっても続けられるようになりました。  フェンタニルは皮膚や粘膜から吸収されやすい性質を持ち、貼り薬(パッチ)タイプの徐放製剤が基本です。貼るだけで済むので消化器に問題がある患者には最も使いやすい薬です。昨年後半には待望の速放製剤が登場。非常に即効性が高いので、予測できない突然の痛みに対するレスキュー薬として効果を発揮します。  「だったら最初からフェンタニルを使えば一番良さそう」とお思いでしょうが、残念ながら初めてオピオイドを使う患者にはフェンタニル・パッチや舌下錠は処方してもらえません。「体温の変化などで吸収速度が変わりやすく、温かいと大量投与と同じ状態になって、呼吸抑制などの恐れがあるためです」と下山教授は説明します。オキシコドンとフェンタニル  「麻薬」にまで指定され、どんな痛みでも和らげてくれそうなオピオイドですが、弱点は神経障害性疼痛です。化学療法によるしびれや、肺がん手術や乳がんで乳房切除の際に肋間神経を傷つけた場合など、治療を原因とする痛みの多くには、効き目が薄いのです。 神経障害性の痛みには抗うつ剤の適応外使用が行われる他、抗うつ剤の性質を併せ持った複合性オピオイドであるメサドンやタペンタドール、全身麻酔に用いられていたケタミン(2007年より麻薬指定)などの麻酔薬も使われます。治療による痛みには効果薄くLOHASMEDICAL


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