ロハス・メディカルvol.113(2015年2月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2015年2月号です。


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 タンパク質を構成するのは、20種類のアミノ酸です。アミノ酸は図のような構造を持つものの総称で、これが100個まで連なったものはペプチドと呼ばれます。100個以上連なると、タンパク質です。 私たちが食事から摂取したタンパク質は、体内でアミノ酸1∼3個程度の塊まで小さく分解された後、血中に入って細胞に運ばれ、必要とされる形のペプチドやタンパク質に再合成されたり、別の生理活性物質に形を変えたりします。アミノ酸、ペプチド、タンパク質アミノ酸(L型)の構造R基アミノ酸の種類によって異なる全種類共通アミノ基炭素窒素酸素水素カルボキシル基CHNNOOOHHHHCCNH2COOH 筋肉は体を動かす・支えるというよく知られた役割の他に、実は、もう一つ大事な役割を担っています。それが、タンパク質(アミノ酸)の貯蔵です。 タンパク質と、同じ三大栄養素である炭水化物や脂肪との最大の違いは、窒素(元素記号N)が必ず含まれることです(コラム参照)。 通常の動物は、窒素そのものは吸収同化できないので、体でタンパク質が必要だったら、食事からタンパク質類を取り込むしかありません。この話は、農業や園芸になじみの方には、空気中の窒素を同化できない多くの植物にとって、窒素が大事な肥料であることと結び付いて理解しやすいでしょうか。 さて、このタンパク質が筋肉を含む体の材料となる以外に、どういう働きをしているか、『「日本人の食事摂取基準(2015年版)」策定検討会報告書』の記述を引用します(カタカナの名前を無理に覚える必要はありません)。︱︱酵素やホルモンとして代謝を調節し、ヘモグロビン、アルブミン、トランスフェリ生命現象に不可欠使われ劣化したタンパク質類は、尿素に変換されて尿から排泄されます。つまり、生きている限り、日々タンパク質は使われ、減っていくのです。 食事から摂る量だけで必要量を賄えなかった場合、あるいはエネルギーが不足した場合、体は筋肉を分解(実際には常に合成と分解が起きていますが、合成する以上のスピードで分解するようになります)して、必要なアミノ酸類を血中に補給します。筋肉の果たす重要な役割です。 筋肉が減ったということは、イザという時に放出できるタンパク質の量も少なくなったわけで、要するに「衰えた」ということなんですね。ン、アポリポたんぱく質などは物質輸送に関与し、Γ-グロブリンは抗体として生体防御に働いている。たんぱく質を構成しているアミノ酸は、たんぱく質合成の素材であるだけでなく、神経伝達物質やビタミン、その他の重要な生理活性物質の前駆体ともなっている。さらに、酸化されるとエネルギーとしても利用される。︱︱ 働き者ですね。そしてLOHASMEDICAL


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