ロハス・メディカルvol.115(2015年4月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2015年4月号です。


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歴史的な出来事です。 なぜならば、がんの重粒子線治療は今でこそ日本のお家芸のように扱われていますけれど、この連載で何度も紹介しているように、世界で最初に取り組んだのは米国のローレンス・バークレイ国立研究所(LBNL)で、1957年から92年まで35年間も取り組んだ挙句にギブアップして、それ以後は米国で重粒子線治療の研究が行われなかったからです。つまりパイオニアの米国で重粒子線は「使えない」という判断が大勢を占めていたわけです。 放医研で重粒子線による治療が始まったのは、米国での研究が打ち切015年1月20日付の日経新聞朝刊に「米がん患者に重粒子線 放医研、米大などと治験」という記事が掲載されました。記事によれば、テキサス大とカリフォルニア大が学内に重粒子線治療施設を建設するそうです。 正式な発表はありませんけれど、昨年12月に「放医研」こと放射線医学総合研究所が東京で開いた「HIMAC20周年記念講演会」の講演でも、鎌田正・重粒子医科学センター長が「テキサス大学との進行膵がん共同臨床試験を立案中」と言っていましたので、恐らく話が進んだのでしょう。そして、これが実現すれば重粒子線治療のパイオニアでありながら長らくその研究を放棄していた米国が、再び参入するようです。日本がいつまで世界をリードしていられるか、医療界の動向を見ている限り、予断を許しません。ジャパン・アズ・ナンバー1の遺産内輪の論理で潰すか、世界で勝負か世界をリードするHIMACの重粒子線治療2られた後の94年。それから20年余りで、手術できないがんなどに対して良好な治療成績を挙げ、その実績を見て世界各地で炭素イオン線施設の建設が相次いでいることは既にご紹介しました。そしてついに、本家の米国が過去の判断ミスを認め、教えを乞いに来たということになります。 真打ち米国の再参入は、HIMACの成果の素晴らしさを示し喜ばしいことであると同時に、ここで浮かれていると、他の産業分野の多くが辿ったように、本気になった米国に再逆転される可能性が出てきたということでもあります。 そして、それを杞憂と笑っていられる状況では、ありません。 「HIMACは、バブルが弾けるLOHASMEDICALVIEW日本絶頂期の産物4LOHASMEDICAL


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