ロハス・メディカルvol.115(2015年4月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2015年4月号です。


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 ただし、健康長寿を目的に地中海式ダイエットを実践するにあたって、一つ気がかりなのがオリーブ油の質です。 2010年、カリフォルニア大学デービス校の研究チームが、オーストラリアのオイル研究所と共に、カリフォルニア州で販売されている「エキストラバージン・オリーブ油」の品質を評価したところ、米国で最も売れている輸入5製品のうち73%は、酸化や劣化、不純油の混入で基準をクリアできませんでした。イタリア製の上級品(単位あたり価格は他の約2倍)でも、11%は基準を満たしていませんでした。 「エキストラバージン」の呼称は本来、オリーブ油の中でも一部のみに認められています。国際オリーブ理事会(IOC)の国際規格では、オリーブの実だけを原料とした未精製の油で、酸化その他の欠陥のないことなど厳しい条件を定めており、参加国にはその遵守が求められています。しかし実際には守られていなかったわけで、社会の関心が一気に高まりました。 酸化した油脂類には様々な有毒物質が含まれ、ひどい場合は下痢や嘔吐をひき起こし、食中毒を招きます。マウス実験では、酸化した油の長期的な摂取が免疫機能の低下や体調不良をひき起こすことも報告されています。悪い油で地中海式ダイエットのご利益が得られるかは不明です。 しかも日本は、米国以上に懸念すべき状況です。IOCに加盟していないため、「エキストラバージン」とのラベル記載が一定の品質を示していないからです。日本農林規格(JAS規格)の定める「食用オリーブ油」の表示で保証されるのは、「オリーブの果肉から採取した油であって、食用に適するように処理したもの」にとどまります。 地中海式ダイエットは和食に似ている点が多いので、十分、日本人の食文化にも馴染むと思います。今後は日本でも、オリーブ油を食事に採り入れつつ、その品質について議論していくべきですね。 ということで、今回は高橋典子さんに、おからとオリーブ油を使う「人参とおからのオリーブオイル炒め」を作っていただきました。人参1本明太子1腹オリーブオイル 大さじ3おから70G酒大さじ1しょうゆ小さじ1人参は皮をよく洗い、皮を付けたまま、マッチ棒状の千切りにする。フライパンを中火に熱し、オリーブオイルを入れ、人参が少ししんなりするまで炒めたら、明太子とおからを混ぜておいたものを加え、酒を加えて全体を混ぜて、最後に香り付けにしょうゆを回しかける。明太子は薄皮からしごき出し、おからと軽く混ぜておく。材料(4人分)作り方132おからと人参の明太子炒め作成:料理研究家 高橋典子 HTTP://WWW.NONNONCOOKING.COM/LOHASMEDICALVIEWオリーブオイルの旨味と人参の甘さで、調味料は必要最低限を入れるだけでも、とてもおいしい味付けになります。明太子のぶりぶりした食感と、おからの食感が合わさって、おからを食べていることを忘れてしまうようです。人参から出る水分とオリーブオイルの旨味をすべておからが吸い取ってくれるので、お弁当にもぴったり。色取りよし、味よし、栄養よしの3拍子そろったおかずです。酸化オリーブ油に用心LOHASMEDICAL


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