ロハス・メディカルvol.115(2015年4月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2015年4月号です。


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右/秋山正子 共同代表あきやま・まさこ●1973年、聖路加看護大学卒業。産婦人科病棟での臨床経験を経て看護教育に従事の後、1992年より白十字訪問看護ステーション勤務。2001年にケアーズ白十字訪問看護ステーションを設立し、現在、代表取締役・統括所長。左/鈴木美穂 共同代表すずき・みほ●2006年、慶応義塾大学卒業。同年、民放テレビ局に入社し、3年目の2008年に乳がんを経験。現在、社会部記者。若年性がん患者団体「STANDUP!!」副代表などを兼務。※志を持った人や団体がインターネットを通じて不特定多数の賛同者を集め、支援を得られる仕組み。またそれを提供するサービス。室に、マギーズの理念と要素を多く採り入れた「暮らしの保健室」を開きました。木の香り漂う柔らかい空間には、平日午前9時から午後5時まで看護師やボランティアが常駐。訪れる人にお茶を勧めながら、無料で健康や医療に関する相談に乗っています。当初はがんの相談窓口としてオープンしましたが、場所柄もあり、生活上のちょっとした悩みにも寄り添っています。 昨年3月にマギーズセンターのことを知り、秋山氏と共に活動を始めたのが、テレビ局の報道記者である鈴木氏です。2008年に24歳で乳がんを発症し、孤独や不安で精神的に追い詰められた経験から、安心して相談できる相手や同じ経験をした仲間と出会える場の必要性を痛感しており、マギーズセンターは理想の施設でした。 鈴木氏は、これまでにも、若くしてがんになった人を応援する団体「STAND UP!!」や闘病中も参加しやすいヨガなどの講座を運営する「CUE!」を立ち上げてきました。 20∼30代の若い世代を巻き覚障害で何を食べても美味しくないといった生活上のちょっとした問題は、患者さん自身とても困っていても、医学的なことでないから病院では相談できないと思ってしまっているんです」。訪問看護だからこそ拾い上げられた患者の悩み、その受け皿がない日本の現実に気づかされたと言います。 2008年にマギーズセンターの存在を知って現地を視察し、その価値と必要性を理解してもらおうと努力を続けてきました。 2011年には、高齢化の進んだ地元の大規模団地の一 マギーズ東京プロジェクトの着工には3500万円の建設費用を用意しなければなりません。また、患者からは費用を一切取らない予定なので、将来にわたって運営を続けていくため息の長い支援も必要です。協力したい場合は、下記口座へ振り込み、【名前・住所・寄付金額・振込日】を、事務局(DONATE@MAGGIESTOKYO.ORG)までメールしてください。●振込先:みずほ銀行市ヶ谷支店普通2244837 MAGGIESTOKYO(マギーズトウキョウ)協力するには若者が大量に参加込みながら、様々なワークショップやイベントを成功させてきた経験と、そこで得た人々との繋がりを活かし、若者達の間にマギーズセンターへの賛同の輪を一気に広げました。クラウドファンディングも、その手法の一つです。 ここまでのところ、プロジェクトは順調です。ただし、建物を造って終わりではなく、将来も安定的に継続していくには、より多くの理解と協力を得なければなりません。患者にとってどれだけ「なくてはならない居場所」を造れるかが試されます。LOHASMEDICAL


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