ロハス・メディカルvol.115(2015年4月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2015年4月号です。


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LOHASMEDICALVIEW日、85歳の女性の患者さんが、しきりに「先生うかぶのだけは困るから」「あたしは、うかびたくないから」と言うのです。「うかぶ」とはどういう意味なのか、しばし悩みました。歳も歳ですから、死んだ後に浮かばれないのは嫌だ、というのならまだ分かりますが、浮かびたくない、のですから、よく分かりません。 なんとなくピンときて、「さっきから、浮かびたくないっておっしゃられていますけど、風呂場で具合が悪くなって、風呂桶に浮かぶのは嫌だってことですか?」と訊いてみました。その通りでした。高齢者の中にはこういった不安を強く抱えている人は少なくありません。 日本全体で、自宅で亡くなる方は、2005年を境に徐々に増加傾向にあります。そして、地域ごとの差が非常に大きいのです。表1は、死亡場所に自宅が占める割合の上位、下位それぞれ10都道府県です。実は、自宅で亡くなる上位の都道府県の多くは関東及び近畿圏の大都市を抱えている都道府県で、がちですが、実際はどうなのでしょうか。 東京都監察医務院の2013年のデータと、人口動態調査によれば、東京都区部の死亡数は7万5332人、自宅で亡くなったのは1万3467人、そのうち、「診療を先亀田総合病院・地域医療学講座孤独死は減らせるのか11北里大学病院トータルサポートセンター長小野沢滋自宅死亡押し上げる孤独表1自宅死亡割合上位および下位10都道府県順位県名自宅死亡割合(%)順位県名自宅死亡割合(%)1位東京16.747位大分8.42位兵庫16.446位北海道8.73位奈良1645位佐賀8.74位千葉15.844位宮崎8.95位神奈川15.543位鹿児島96位大阪15.242位福岡9.17位京都14.841位富山9.28位宮城14.740位長崎9.29位滋賀14.539位秋田9.310位静岡13.938位石川9.4下位の都道府県の多くは、九州及び北陸、北海道にあることが分かります。 田舎はコミュニティーがしっかりしており、在宅死が多く、都市部ではなかなか在宅死がかなわない、という訳ではなさそうです。 在宅医療が普及したので、自宅死亡が増加した、と考え出典:平成25年人口動態調査 死亡の場所別にみた都道府県別死亡数百分率26LOHASMEDICAL


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