ロハス・メディカルvol.116(2015年5月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2015年5月号です。


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らいでは骨を折らないよう取り組むことも大切です。 転んだくらいで骨が折れるのは、当然のことながら骨が弱くなっているからです。このように骨が折れやすくなっている状態のことを「骨粗鬆症」と呼びます。聞いたことはあると思います。「症」の名で分かるように、治療すべき病気として扱われています。2011年の時点で我が国に1300万人の患者がいると推計されていました。高齢化のさらに進んだ現在では、もっと多いかもしれません。 なぜなら加齢とともに増え、女性の場合は75歳を過ぎると2人に1人、男性でも80歳以上の4人に1人が発症するとも言われているからです。 なお、喫煙者は、そうでない人より大腿骨骨折を起こしやすいという研究報告があります。また、習慣的飲酒をする人もリスクが2倍近く高いという報告があります。どちらかの習慣がある人は、より一層注意が必要です。 残念ながら自覚症状がほとんどなく、ある日突然大腿骨が折れる、という悲劇も起こり得ます。ただ、一般的には大腿骨骨折の何年か前に椎体骨(背骨)が潰れる(ほとんど痛みがないことも珍しくありません)ため、若い頃に比べて背が縮んだとか背中が曲がってきたという場合、直ちに骨粗鬆症を疑って受診すべきです。 一般論として、栄養に気をつけたうえで習慣的に運動すれば、骨が弱くなるスピードを、かなり遅くすることができます。 ただし、既に骨粗鬆症になってしまっている場合、弱るのを遅くするだけでは不十分です。骨を強くして、骨折のリスクを下げないといけません。もっと積極的な対応が望まれます。 と言っても、これから説明するように、骨が弱くなったという同じ現象でも、その途中で起きている不具合には様々なものが考えられます。その原因をきちんと見極めて対処することなく、単に小魚をたくさん食べたり牛乳をいっぱい飲んだりする(しないよりマシと思われますが)だけでは、弱くなった骨を再び強くして大腿骨骨折を防ぐのは、かなり困難です。 一方で近年、骨の量を増やし骨折リスクを下げられるような、働くポイントの異なる複数の医薬品が登場してきており、さらに今後も登場が予定されています。医療が、かなり有効な分野なのです。大腿骨を折ってから医療のお世話になるくらいなら、早めに力を借りませんか? 思い当たることのある方は、主治医に相談してみてください。それは病気です医療はかなり有効


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