ロハス・メディカルvol.116(2015年5月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2015年5月号です。


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の果たしている重要な役割を知っていただく必要があります。 体を支えたり脳や内臓を守ったりしているんだよね、と思った方。それも正解ですが、もっと生命維持に不可欠な役割があります。が弱くなる理由を理解していただくには、骨骨の大事な役割カルシウム貯蔵す。一方で、体内で使われたカルシウムの一部は尿などから排泄され、減っていきます。 だから、減った分を補うよう、毎日食事からきちんとカルシウムを摂りましょうね、というのが健康副読本的な書き方になりますが、365日規則正しく食事できる生き物なんて歴史的に見ても現代人くらいです。ちょっと食事できなかったくらいで心臓が止まってしまうようでは生き残れるはずもなく、動物は体内にカルシウム貯蔵庫を持つようになりました。 その貯蔵庫こそが骨です。筋肉がタンパク質の貯蔵庫だったこと(2月号参照)を思い返していただくと、生き物の体って、本当によく出来ていますよね。ただし、あまりにもカルシウムを貯蔵し過ぎると、骨が重くなって生存に不利に働くことになります。 骨は、コラーゲンなどの有機物と石灰質から出来ています。鉄筋コンクリートにたとえるなら、有機物が鉄筋で、石灰質がコンクリートにあたります。 有機物は骨にしなやかさを与えます。老化すると有機物が少なくなって弾力性に乏しくなり、脆もろくなります。 一方の石灰質は骨に硬さを与えます。リン酸カルシウムや炭酸カルシウムなどが主成分で、ここにカルシウムが貯蔵されるわけです。カルシウムが足りなければスカスカになって、やはり脆くなっていきます。この石灰質を構成するミネラルの相対量を示したものが「骨密度」です。 骨も、他の器官と同様に新壊す造る壊す造る有機物と石灰質骨 骨の主成分がカルシウムであることは、ご存じですよね。このカルシウムのイオンは、私たちの体の中で筋肉や神経に活動を起こさせる信号を伝えており、不足すると例えば心臓が止まったりします。このため、そんなことが起きないよう、血中のカルシウム濃度は常に一定に保たれていま


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