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コレステロールを食べると血中のコレステロールが増える、のではなく、現代日本に根づいたある食材で増えるらしい、しかもその食材を避けるのが難しいという話です。戻る還りの便です(詳しくは『ロハス・メディカル』22号の図表参照、WEBで電子書籍を読めます)。 このうち、LDLコレステロールが血中に過剰にあると、動脈硬化を招きます。これまで、そのことを示す数多くの研究報告がされてきました。 約1万人の日本人を19年間追跡した大規模調査「NIPPONDATA80」では、男性で血中の総コレステロール値※が増えると、段階的に、心筋梗塞などの冠動脈疾患による死亡の危険度も増すとい初に書いておきますと、コレステロールは生命維持に必須の物質です。細胞膜の主成分であり、ホルモンや胆汁酸などの原料にもなっていて、成人では1日に約1000∼1500㎎必要と言われています。 血中を運ばれる時は、一般にLDLコレステロールとHDLコレステロールの二つの形態をとります。LDLコレステロールは体の各部位へ油脂を届ける往きの便、HDLコレステロールが体の各部で余った油脂を回収して肝臓へ「コレステロールの摂り過ぎは体に悪い」と思っていますよね?ところが2月、米国政府が摂取推奨量の上限を撤廃すると発表しました。一体どういうことなんでしょう。専任編集委員(米ミシガン大学大学院環境学修士)堀米香奈子食品のコレステロール気にしなくてもいい最LOHASMEDICALVIEWう結果が得られています(図1)。女性では死亡数が少なく明瞭な結果とはなりませんでしたが、同じ傾向でした。 また、軽・中程度の脂質異常(総コレステロール値が220∼270㎎/㎗)で、それまでに冠動脈疾患歴のない日本人8千名近くを対象とした大規模臨床試験「MEGASTUDY」では、治療によりLDLコレステロール値を18%低下させたところ、冠動脈疾患の発症や脳梗塞の合併は明確に減少しました。 世界的にも、LDLコレステロール値が高いことと冠動脈疾患の発症やそれでの死亡とに明確な関連があることは、数多くの研究報告があります。 このため、学会によって基準値にかなりの差はあるものの、血中のコレステロール値が高い人は下げた方がよいだろうということが、ほぼ大方のコンセンサスになってきました。 そして、血中のコレステロール値を上げないため、食事からの摂取も控えめにした方がよいというのが常識だったわけです。※LDLコレステロール値+HDLコレステロール値+中性脂肪値/5今回のお話は…