ロハス・メディカルvol.116(2015年5月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2015年5月号です。


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 ところが今年2月、米農務省と米保健福祉省は、政府の「米国人のための食生活指針」2015年版から、1日あたりのコレスレテロール推奨摂取量上限(これまでは300㎎)を撤廃する草案を発表しました。 食品からの摂取量と血中の量とは、一部の鋭敏な体質の人を除いてほとんど関係ないということが分かってきたからです。 例えば、日本人の平均コレステロール摂取量は1日あたり約300㎎(平成24年国民健康・栄養調査)です。このうち40∼60%が小腸から吸収されると考えられています。これに対して、体内では体重1㎏あたり1日12∼13㎎(体重50㎏の人で600∼650㎎)合成されます。血中のコレステロールのうち7∼8割は体内で合成されたものということになります。 しかも、食事からの摂取が増えると合成量が減り、摂取を控えれば合成量が増えるという具合に、体内のコレステロール量を一定の範囲に保つ調節機構があることも報告されています。 このため、大半の人は摂取制限しても意味がないという話になったわけです。LOHASMEDICALVIEW出典:NIPPONDATA80(編集部で一部改編)7割以上を体内合成図1血中の総コレステロール値と冠動脈疾患による死亡リスクの関係(14年間追跡時点、対象者4,035人)冠動脈疾患で亡くなるリスク(総コレステロール値160∼199の人を1とした時)血清総コレステロール(㎎/㎗)年齢、血清アルブミン、BMI、高血圧、糖尿病、飲酒、喫煙で調整1234560<160160–199200–239240–


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