ロハス・メディカルvol.117(2015年6月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2015年6月号です。


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てくるか∼」とサクッと決意しました。 大学で勉強する中で、国際医療の中でも、とりわけ母子保健分野に興味を持ちました。字面で何となくお分かりと思いますが、お母さんと子どもを扱う分野です。医療だけではなく、ジェンダー問題、教育、文化などが関係しあっていて、とても広大で難しい分野です。「頑張りがいがある!」と思いました。 また、両親は私が小学生はじめの頃に離婚をしています。女手一つで育て上げてくれた母への感謝もあります。母は教師をしていて一本筋の通った人です。何だかんだと母の頑張っているところを見てきたので、世界のお母さんの力になれたらよいなと思うようになりました。 今回の世界一周、当初は、広い世界を見てこれたら充分だ、と思っていました。しかし、出発が近づくにつれて「自分にしかできない旅をしたい! というか夢に近づきたい!」と思うように。自らのキーワードである「国際医療」「母子保健」「世界一周」「気力と体力は多め」を掛け合わせた結果、次のような旅とすることにしました。●旅をする際は、可能であれば、約10㎏の妊婦体験エプロンを着用する(写真で私が着ている茶色いエプロンです)。●出会った人に妊婦体験をしてもらう。その際に母子保健●私のできる範囲で出産などに向けたアドバイスを行い役に立つ。●私自身が「顔の見える」母子保健の世界の現状を知る。●この挑戦自体が世界に注目されることで母子保健分野に焦点が当たる。 押忍。ということで、2月19日に関西国際空港を発って、香港に降り立ちました。 出発前に、第二外国語で履修した中国語のおさらいや、行く所の下調べ、事前に作っておけるものの作成などなど、やろうと思っていたことは多くあったのですが、他の大事なことに時間を割かれ、やらず仕舞いでの出発となり、「着いてからで、いっか」と。 しかし、中国の洗礼を受けることになるのでした⋮⋮。 春節(旧正月)の最中で宿代は高いし、交通機関は混んでいる。何よりネットの通信規制が厳しく、頼みの綱にしていた様々なサイトにアクセスできない。日本の友人への連絡さえうまく取れません。これは完全に準備不足故です。 無理矢理ジャケットを着けて街に飛び出してみるも、言葉の壁に突き当たりました。大学の授業を真面目に受けていなかったバチです⋮⋮。漢字を共有しているので筆談を通して会話を試みるのですが、なんか思ってたのと違う⋮⋮、アグレッシブな中国の方々に囲まれ、どんどん内に籠ってしまうようになっていきました。 思い返すと、中国では旅をしていたというより移動をしていたと表現する方が近いです。居心地のよい場所を求めて、上水↓広州↓茂名↓南宇という具合に西へ西へと汽車で移動。1週間ほどいたのに1人も妊婦体験してもらうことができず、打ちひしがれた気持ちで、ベトナムはハノイへと入ったのでした。LOHASMEDICALVIEW最初の国・中国で打ちひしがれる夢へ近づくため学生の今、何ができるかに関するインタビューをする。●様々な地域の学校や集会の場で、簡単な母子保健の授業をする。 以上を通じてめざすのは、以下の事柄です。●異様な見た目と持ち前の愛嬌で世界の人々とすぐに仲良くなる。●出会う人々にお母さんやパートナーを大切にする気持ちを持ってもらう。5LOHASMEDICAL


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