ロハス・メディカルvol.117(2015年6月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2015年6月号です。


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100∼出典:厚生労働省『医療保険に関する基礎資料 平成24年度年次報告』出典:厚生労働省『平成25年人口動態統計月報年計(概数)の概況』(万円)(歳)119.095∼99116.290∼99108.385∼89101.280∼8491.075∼7976.870∼7461.165∼6945.160∼6435.555∼5927.150∼5421.245∼4916.740∼4413.535∼3911.930∼3410.825∼299.120∼247.315∼197.010∼148.75∼912.20∼422.31201008060402000204060801001201401601802002202402602803002230405060177225悪性新生物心疾患昭和(年)不慮の事故自殺肝疾患結核平成(年)脳血管疾患肺炎死亡率(人口10万対)が人口構成です(図3)。当たり前ですが、若い方が健康リスクは低く、高齢になればなるほど医療費がかかるようになります(図4)。対して、保険料を多く払えるのは現役世代です。要するに、余裕を持って保険料を払える人の割合が減り続ける一方で、医療を使う人の割合は増え続けるという状態になっています。 この不均衡に対して、現在は国債などで得た公費を投入して何とか辻褄を合わせています。しかし、国自体の財政状況が極めて厳しく、好転する兆しもないため、辻褄合わせをいつまで続けられるか予断を許しません。 疾病構造も大きく変わりました(図5)。皆保険成立の時は、病気の中心が、感染症のように若い人も多く罹患し、治ったら完全に社会復帰できるようなものでした。困った時には保険に頼って、治ったら自分も貢献するという、お互い様の構造だったので、医療は患者を治すことに集中すれば済みました。しかし現在では、がんや生活習慣病、心血管疾患のように加齢と共に罹患者が増え、完全な健康体へは戻らないので折り合いをつけながら生活していくというものが中心です。増え続ける認知症も、医療では治せません。 基本的に治らないということになると、可能な医療行為を何でもすべてやるという発想では立ち行かなくなります。社会の要請も、生活の質重視へと変わってきています。しかし、医療界は、なかなか発想を変えきれていません。 このことが、世界有数の恵まれた健康保険制度があり、医療の質に関する国際機関からの評価も低くないのに、国民の医療への満足度は低いということに影響している可能性もあります。 この企画では、原点に返って、健康保険の現状と課題を見ていきます。LOHASMEDICALVIEW29LOHASMEDICAL図4年代別1人あたりの医療費図5主な死因別にみた死亡率の変化


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